トンネルの罠は警察の侵入をいち早く察知し逃げ切ることを目的としたトラップです。
掘削トンネル工事現場という特殊性
映像から蒲田トンネルはシールド工法を用いていると推測できます。
シールド工法とはシールドマシンによって掘削と土砂運び、崩落回避工事を同時におこなう工法です。
工事が進むにつれ作業員移動用エレベーターが数か所に設置されるという特徴があります。
管轄外への逃亡は何としても避けたい青島としては早く地上へ誘き出したかったはずです。
トンネルに仕掛けられた罠の種類
紐に引っ掛かると警報装置のピンが抜けて警報が鳴る一般的な防犯ブザーと同じシステムが使われていました。
これなら素人でも入手しやすいですし構造も簡単です。
犯人グループは様々な職業に就いていたようですので、防犯ツールに精通していたメンバーもいたのではないでしょうか。
犯人にとって逃げ切るための罠が逆に自分の首を絞めたことになります。
逃げる犯人の気持ちを深読み
理由は後述しますがトンネルに居た犯人は二つの犯罪の主犯ではありません。
組織に属していないことを強みだと思っている犯人たちは警察をバカにしているようです。
そんな彼らが突然鳴り響いた警報を聞いたときどんな心境だったのかを深読みしてみましょう。
警報を聞いた犯人の心理とは
絶対的な隠れ家だと思っていたトンネルに警報が鳴り響いたとき犯人は二手に分かれます。
1人は逃走車両の準備にいち早く地上へ走りました。残りの二人は人質を楯に逃走するつもりです。
拘束されているとはいえ柏木刑事も抵抗を続けたのでしょう。思うように動けず予定とは違う場所に出ました。
とにかく早く地上に出てお台場を離れることだけを考えたのです。
逃走車両を準備したメンバーは青島が地下から出た場所で既に待機していましたね。
犯人たちもここに出るはずだったのでしょう。
なぜ犯人はバラバラに潜伏していたのか
被害者をロープで縛った犯人が新たな『作品』を作っていたのはテナントが入っていないビルで魚住係長と森下刑事が向かいます。
地図にない倉庫にはマネキンと一緒に拘束された柏木刑事と犯人がおり袴田課長と真下ネゴシエーターが確保しました。
第二の被害者はアパレル会社役員だったことからこの男が実行犯だと推察できます。
犯行は二つですから各々の主犯は予定が大幅に変わったことを知らず逃走連絡待ち状態だったのです。
細かい作り込みが本作の魅力
警察組織を甘く見ていた彼らですがスリ一家と絡んだことでバレたことを確信します。
逃げる途中で財布がないことに気づいた犯人は公衆電話に戻り柏木刑事と遭遇しました。
戻らなくてはいけないほどのものが入っていたことはスリから押収した財布で明らかになっています。
通常なら戻るわけはない状況で戻らせたという仕込みを丁寧に拾っているのも見どころです。
他にも意外な人が意外なシーンに出演しています。
意外な出演者たち
本庁の刑事に佐々木蔵之介がいます。地図に真剣なまなざしを向ける迫真のワンカットです。
スリ一家の息子は子役時代の神木龍之介でしたね。