出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07Y2RG3GC/?tag=cinema-notes-22

メアリー・メイプス原作『大統領の疑惑』をベースに2015年に公開されたドラマ映画『ニュースの真相』。

主演のメアリー・メイプスはケイト・ブランシェット、助演のダン・ラザーがロバート・レッドフォードです。

2004年にアメリカで起こったジョージ・W・ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑を題材にしています。

「21世紀最大のメディア不祥事」といわれた歴史的事件をジャーナリズムやメディアの視点で解体・再構築しました。

本稿ではメイプスとラザーのその後をネタバレ込みでじっくり考察していきましょう。

また、軍歴詐称疑惑を報道した理由や保守派のブロガーに「偽造」と指摘された意味も読み解きます。

報道と人権

人権と報道

本作のメインテーマは「報道と人権」ですが、特に目立つのがメディアスクラム(集団的過熱取材)です。

カナダの政治を中心にイギリス・オーストラリア・ニュージーランド・日本でも特に強く見受けられます。

囲い込みの報道で不祥事を暴くのですが、これには人権侵害による社会的抹殺という危険な罠があるのです。

報道内容が真実の場合はいいのですが、そのスクープが事実無根の誤報やデマであった場合はどうでしょうか?

たちどころに信頼を失墜し重大な人権侵害へ発展し、裁判沙汰で訴えられてもおかしくありません。

そのメディアの信頼という観点から報道と人権の問題に真っ向勝負で挑んだのが本作最大の特徴です。

メイプスとラザーのその後

大統領の疑惑

正解の不祥事を暴くつもりがメディアの信頼を損なう羽目になったメイプスとラザー。

あらすじをしっかり追いながら、この二人のその後について考察していきましょう。

歴史的事件の中心にいた二人はどうなったのでしょうか?

解雇と降板

社員の問題行為への適正な対応がわかる本―初動対応から懲戒処分等・再発防止策の実行に至るまで―

プロデューサーのメイプスは解雇され処分を受けなかったもののラザーは番組降板を決めました。

決して二人だけが悪いのではなく、CBS全体の問題として彼ら二人以外にも責任は問われています。

それもその筈、事実無根のスキャンダルを作り上げるという冤罪を行っているのですから。

犯罪を放送という形で暴くはずの彼らが寧ろ犯罪者へ、即ちミイラ取りがミイラとなったのです。

何とも皮肉な結末ですが、一番の驚きはこれがノンフィクションであるという事実でしょう。

正に事実は小説よりも奇なりという言葉が相応しい結末です。

報道と真実は別物

報道の自己規制: メディアを蝕む不都合な真実

メディア不祥事の象徴たる二人ですが、ここから報道と真実は別物という一つの事実が見えてきます。

どんなに真実を追究したところであくまでもその報道はCBSのジャーナリスト達によって解釈されて出来たもの。

果たして真相が何かなんて報道の対象である本人達の内側にしか答えはなく、正確なものとはなりません。

確かに世の中を生きていく上で情報はあった方がいいし、メディアは個人が成し得ない情報収集も可能です。

しかし、そのメディアが収集した情報が全て誤りであった場合、信じられる土台が崩されたことになります。

メイプスとラザーに欠けていたのはその当たり前の心構えではないでしょうか。

報道の自由こそ責任が大事

自由で責任あるメディア―米国プレスの自由調査委員会報告書

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