出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0851T9RGH/?tag=cinema-notes-22

映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』は2018年に制作されたアメリカ・イギリス・フランスの合同作品です。

監督はジュリアン・シュナーベル、主演のフィンセント・ファン・ゴッホをウィレム・デフォーが演じています。

キャストは他にもルパート・フレンドやオスカー・アイザックなど実力派が脇を固める豪華布陣です。

物語は「黄色い家」「太陽」などの名作で知られるゴッホの伝記をシュナーベル監督の解釈で再構築しています。

画家としての孤独な精神、生前には評価されず時の試練を経なければならなかったゴッホの作風。

そんな彼の奥深くに迫っていく演技・演出・脚本のあり方は非常に新鮮であり、以下の功績を残しています。

ウィレム・デフォーは第75回ヴェネツィア国際映画祭で男優賞を受賞し[13]、第76回ゴールデングローブ賞の主演男優賞 (ドラマ部門)にノミネートされた。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/永遠の門_ゴッホの見た未来

本稿ではゴッホが耳を切り落とした理由をネタバレ込みで考察していきましょう。

また、ラストで若者をかばった理由やゴッホを死に追いやったのか者についても併せて見ていきます。

天才はいつの時代も生きにくい

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本作に限らずゴッホの伝記映画は作られており、近い時期だと2017年の『ゴッホ 最期の手紙』がそうでしょう。

先達の作品群もゴッホの天才故の苦悩に焦点を当てていますが、どちらかといえば「外」からの視点でした。

本作はそうではなくゴッホ自身の「内」に焦点を当て、天才と呼ばれた裏側の心情に焦点を当てています。

即ち天才はいつの時代も生きにくいことを本作はより生々しく卑近な視点から伝えようとしているのです。

歴史的な天才画家というイメージとは裏腹の荒んだ人生を突き詰めた先に何が見えるのでしょうか?

天才が抱える孤独や苦しみの裏側に迫っていきます。

耳を切り落とした理由

毎日の耳かき

物語中盤でゴッホはゴーギャンとの交流がきっかけで自分の耳を切り落とします。

これは決して誰にいわれたわけでもなく、ゴッホ自身で決めたことです。

何故この選択をしたのかをここでは考察していきましょう。

ゴーギャンへのお詫び

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最初の理由として挙げられるのはゴーギャンへのお詫びで、これはゴッホ自身が語っていました。

とはいえ、流れから見てこれは完全なゴッホの思い込みによる早とちりでしかありません。

ゴーギャンがパリに帰ったのはあくまで田舎の暮らしが肌に合わない生粋の都会人だからです。

それをゴッホは自身がゴーギャンと共に住む価値がない人間だと思ってしまったのでしょう。

天才過ぎる故に素直に受け取ればいい言葉まで深読みをし過ぎるきらいがあります。

なのでかなり一方的な自己完結という風になります。

批判を聞き入れたくない

不思議なのは彼が切り落としたのがあくまでも「耳」であるということです。

これはきっと自身の耳に刺さる痛烈な揶揄・批判を食らいたくなかったからではないでしょうか。

ゴッホはゴーギャン関連以外にも子供たちとの諍いを起こしたりもしています。

他者のアドバイスや揶揄・批判などを聞き入れて上手く行った試しがないのです。

つまり自分の内面を理解出来ていない外野の声など自ら塞げばいいと思ったのでしょう。

他者の理解が得られにくい天才の孤独をゴッホはこういう形でしか表せなかったのです。

社会との断絶

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

上記2つを総合すると、ゴッホは耳を切り落とすことで社会との断絶を果たしたかったのでしょう。

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