まず1つ目に男に負けない精神力の修養が挙げられ、これは寿慶自らが口にしています。
女は逃げるのが上手い、自分をごまかすのが上手い。だから男よりも頑張らねばならないのだ
引用:あさひなぐ/配給会社:東宝映像事業部
確かに女性という生き物は自分を誤魔化すのが上手く、時には涙で逃げることも可能です。
しかし、そのような軟弱な精神では土壇場において勝ちを収めることは出来ません。
ましてや一堂寧々クラスに打ち勝つことなど夢のまた夢ではないでしょうか。
だからこそ自分と向き合い、自分から逃げないようにする時間をしっかり作ったのです。
正しい基礎フォームを身につけさせる
2つ目に特に旭に関しては正しい基礎のフォームを身につけさせることを目的としていました。
最初の2日間で旭にやらせた水汲みは雑用ではなく、重心を低くする構えの習得になっていたのです。
それが5日目の稽古でしっかり反映され、抜き技で寿慶から1本取ることを可能にしました。
武道においては何よりこの基礎のフォームを身につけないとその先の発展や応用もありません。
それを部内だけでやるのは限界があるからこそ、住職という専門家にお願いしたのではないでしょうか。
実際にこのスパルタ合宿で旭をはじめチーム全員が劇的に動きがよくなり、実力を向上させています。
精進料理に見る我慢の心
そして3つ目に精進料理に音を上げ寺を脱走しようとしますが、寿慶は厳しい喝を入れます。
食肉は畜生道に落ちる!
引用:あさひなぐ/配給会社:東宝映像事業部
寿慶はここで精進料理を通じて旭たちに我慢する心の大切さをしっかり教え込んでいるのです。
ここで食肉を選べば、旭たちは欲に負けてしまい強さが得られないことを意味します。
何かを得るためには何かを捨てなければならず、強さを得るためには欲・自由を捨てないといけません。
あくまでも旭たちはまだ自由を求める段階にはないということを示しているのでしょう。
普段は名ばかり顧問と揶揄される小林先生ですが、ここぞという時には顧問の役目をしっかり果たしています。
外柔内剛
本作は表向きこそ可愛いですが中身は物凄く泥臭いスポーツ漫画の王道を行く作品です。
物語の当初とラストでは旭達のキャラクターがまるで違って見えることでしょう。
見かけは可愛らしい二ツ坂高校薙刀部でも、中身には物凄く強い芯を宿しています。
正に外柔内剛、薙刀を通じて磨き上げられた彼女たちの技術や精神は他の武道にも引けを取りません。
乃木坂46が演じているとは思えない程試合の迫力も見応えがあり、思わず手に汗を握ります。
また、乃木坂46にとってもこの映画は非常に大きな成長の糧にもなった作品であるとのことです。
そうした役者の成長とキャラの成長のシンクロもまた本作の見所となっているのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本作は薙刀というややマイナーな日本の武道を扱っているので中々馴染みがないでしょう。
しかし、そのような偏見を完全に払拭してしまう程中身は非常にしっかり作り込まれています。
未経験者だった旭たちが傷つき挫折しながらも、仲間たちと共に邁進する姿は正にスポーツ漫画の王道です。
また、彼女達が目指す先に居る強力なライバル一堂寧々もまた、旭達の魅力を引き立たせています。
マイナーなスポーツだから、乃木坂46だからという偏見や先入観で片付けて良い作品ではありません。
どんな人にも楽しめる爽やかで痛快なエンターテイメントとして今後も間違いなく残る名作です。