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映画『レプリカズ』はジェフリー・ナックマノフ監督による2018年公開のアメリカSFスリラー映画作品です。
キャストは主演のキアヌ・リーブスを中心にアリス・イヴ、トーマス・ミドルディッチらが脇を固めます。
家族を失った天才科学者がクローンの意識を移して死者蘇生を行おうとする悲しい物語です。
しかし、そんな神経科学者ウィリアム・フォスターの功績をある組織が狙い始めます。
本稿ではウィリアムが自分のレプリカを作った意味をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、彼がなぜゾーイを選んで抹消した理由やジョーンズのクローンと仕事する理由も併せて見ていきます。
神か悪魔か
本作は批評家からかなり酷評された作品ですが、その理由として人間のコピーが挙げられます。
確かに死んだ筈の命を勝手に生き返らせ、しかもそれを物語として肯定しているのですから。
発明は天才的なのにやることが根本的に私利私欲に満ちているのがウィリアム・フォスターです。
果たして彼は神か悪魔か…本作が描こうとしたのは正にその部分ではないでしょうか。
世の中で後生に残る発明をしている人程実はその裏で汚いことに手を染めているものです。
本稿ではその物語世界を受け入れて、彼がどう生きていこうとしたかを考察していきます。
自分のレプリカを作った意味
本作の終盤でウィリアムは自分のレプリカを作り、研究所を任せました。
果たして彼が取ったこの選択には一体何の意味があるのでしょうか?
全滅を防ぐ為
まずウィリアムがレプリカを作った最初の意義は家族の全滅を防ぐ為です。
ジョーンズの所属する研究所の人たちがウィリアムのクローン技術を奪おうとしていました。
偉大な発明が成功したと知れ渡るとそれに食いついてくる輩が少なからず居るものです。
人間は嫉妬深い生き物だから、自分の思い通りにならないものには嫉妬を抱きます。
そこでウィリアムは護衛用にレプリカを用意して見事に全滅を防ぎました。
それどころか逆にジョーンズ達を倒して代わりに研すらさせていますので、作戦は大成功です。
スケープゴート
2つ目にレプリカを作ることでジョーンズ達を殺した時のスケープゴートとなるのです。
そもそも考えてみれば家族を蘇らせるためにクローン技術を転用したのがウィリアムでした。
本来ならこの時点で倫理的な観点から罪に問われてもおかしくないことをしています。
しかし、そこでレプリカを作ることでそうした罪が自分へ向くことを回避出来るのです。
ましてやロボットであれば逮捕しようとしてもロボットの法律がない限りは出来ません。
見事に法の目をすり抜けて自由でいられるための手段を確立したのです。
AIによる作業の自動化
そして3つ目にAIによる作業の自動化を意味するのではないでしょうか。
自分のクローンないしレプリカを作ればかなり作業効率も上がります。