ビジネスの観点から見ればケイラの取った行動はいわゆる”損切り“という行為です。
投資に例えるならFOXニュースは塩漬け状態になり損失が出た株も同然で旨味がありません。
成熟したビジネススタイルは衰退するのみですから将来性など望むべくもないでしょう。
そんな塩漬けになった所で働き続けても幸せになれないどころか損をするのみです。
だからこそ、そうなる前にケイラは思い切ってFOXニュースという株を手放しました。
彼女の今後を鑑みても入れ替わりのタイミングでの辞表は適切だったと思われます。
ロジャーが求める忠誠心
ケイラはロジャーから散々なセクハラ被害に遭わされ、忠誠心を示すよう押しつけられました。
ここでロジャーが彼女に求めた忠誠心とは一体何のことなのでしょうか?
従順な駒
具体的にいえばロジャーのいう忠誠心とは組織の従順な駒であることではないでしょうか。
要するに余計な考えを差し挟まずに指令だけを忠実に実行する都合の良い存在です。
ここで大事なのはロジャーの中にあるのが「支配欲」であって「性欲」ではないことでしょう。
セクシャルハラスメントも本質はあくまで「暴力」にあるのであって「性」は副次的問題です。
ケイラに限らずあらゆる女性キャスターに対して彼はそういう役割を強要してきたことが窺えます。
失敗例グレッチェン
2つ目にその忠誠心を拒否して見事に失敗した例としてグレッチェンがいます。
彼女はロジャーが求める忠誠心を拒否したばかりに視聴率の低い昼のキャスターに甘んじていました。
ケイラはグレッチェンを尊敬しつつもスターキャスターになる為に損切りしているのです。
ロジャーの求める忠誠心とは決して単なるハッタリではなく現実の成功例と失敗例を見せています。
それがあるからこそケイラは逆らうことが出来ずに困っていたのではないでしょうか。
イエスマン
グレッチェンはそうしてロジャーに従わなかった結果クビを宣告されてしまいました。
ここから分かることはロジャーの求める忠誠心とは詰まるところイエスマンでしょう。
少しでも自分の刃向かう者は切って自分に都合のいい人たちだけを残しているのです。
それが皮肉なことに終盤での反逆を生み出しているのですから因果応報ではあるのですが…。
ロジャーという上司の最大の欠点は他人を支配し奪うことしか考えていなかったことでした。
奪う人間は最終的に奪われて終わってしまうのだとまざまざと見せつけてくれます。
証言を決めたメーガンの心情
グレッチェンの解雇を決起として次々とロジャーに対する反逆の狼煙が上がりました。
メーガンもその被害者女性の1人でしたが、ケイラの叱責も受けて立ち上がることを決意します。
ここで証言を決意した彼女の心情を考察していきましょう。
反撃に打って出る
1つ目にあったのはやっと反撃に打って出ることが出来るという気持ちでしょう。