母は素敵なプレゼントを用意していましたが、アカネはそのプレゼントをどう受け止めたのでしょう。
素敵な誕生日プレゼントありがとう
世界って大きいね、世界って綺麗だね
引用:バースデー・ワンダーランド/配給会社:ワーナー・ブラザース映画
アカネは、世界の美しさや広さに気づくことが出来ました。
狭い世界で人間関係のしがらみに捕らわれていたアカネは、心を解放することが出来たのです。
母からの贈り物は目に見えないプレゼントでしたが、アカネはしっかりとそれを受け取っています。
ワンダーランドへの冒険は、アカネの心の鍵を開く旅だったのではないでしょうか。
世界の美しさや広さは母が娘に伝えたかったことであり、この作品からのメッセージでもあります。
対称的に描かれた世界とメッセージ
本作では、光と影が様々な形で表現されていました。
対比によって引き立つキャラクター
冒頭部分の部屋と庭のように対比によってその姿を表現しているのです。
ヒポクラテスのような良い錬金術師と悪い錬金術師、偉い魔法使いと落ちこぼれ魔法使い、そしてアカネとチイちゃんも対照的です。
チイちゃんの雑貨屋は「ちゅうとはんぱ」という名前であり、未完成さを表現しています。
チイちゃんは、決して完成された人間ではありませんが好奇心旺盛で行動力がある女性です。
彼女とアカネが共に冒険することで、それぞれの性格をうまく引き立てていました。
世界の美しさを知るべきだ
劇中でアカネは下記のようにいっていました。
便利だけれど便利じゃない
引用:バースデー・ワンダーランド/配給会社:ワーナー・ブラザース映画
アカネには学校にいる時だけでなく、帰宅後のスマホなどでも人間関係のしがらみがつきまとっていました。
SNSなどによるストレスは、まさに現代が抱える闇といえるでしょう。
スマホ症候群とも呼ぶべき依存症が問題視されています。
空に虹がかかっていても夜空に星が輝いていても美しい世界を見ようとせず、SNSに夢中になる人々が多いのです。
狭い世界に捕らわれず美しい世界を見あげよう、本作にはそんなメッセージが込められていたのではないでしょうか。
世界のすばらしさを再認識する映画
『バースデー・ワンダーランド』は、現代社会で誰もが陥りやすいSNSの落とし穴が描かれていました。
色彩豊かな世界は異世界ではなく、自分たちの周りにある世界です。
この映画を観て、自分が下を向いて過ごす時間の多さに気がついた人もいるのではないでしょうか。
改めて世界の美しさを確認したくなる、そんな作品といえるでしょう。