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映画『デッドコースター』は2003年公開の作品で、前作『ファイナル・デスティネーション』の続編です。
DVD化の際には原題の『ファイナル・デスティネーション2』の名前がしっかり入っています。
前作の1年後を舞台とした、予知夢で玉突き事故による死という運命から逃れた9人の男女のストーリーです。
より強化されたパニックホラーの演出は勿論ハイウェイでのリアルな事故死は迫力満点で手に汗握ります。
キャストも前作から入れ替わり、フレッシュな作品として続編ということを抜きにしても楽しめるでしょう。
本稿ではキンバリーに死の予兆が見える理由をネタバレ込みで考察していきます。
また、助言をくれた男の正体や生死の運命のバランスを保つ方法をも紐解いていきましょう。
死という運命の連鎖
本作の特徴は前作が打ち出した”死という運命の連鎖“をより前面に押し出して描いたところです。
具体的には死ぬはずだった主人公と何らかの形で関わった人間が全て死ぬというゲーム。
正に死のジェットコースター=デッドコースターとして一貫性とロジックをもって描かれています。
キンバリーはそうした死の連鎖に巻き込まれていきながらも、何故か寸前で回避しているのです。
そうした死の運命がいつどこで訪れるのかを受け手に考えさせる前にどんどん現実だけが進んでいきます。
そんな本作に散りばめられた数々の仕掛けを読み解いていきましょう。
予兆が見える理由
本作の主人公キンバリーは悲惨な死が訪れる直前にそれを予知夢として見て予兆を感じ取ります。
そのお陰で死を回避した者も居るのですが、基本的な死の運命は変えることが出来ません。
何故キンバリーにだけその予兆が見えるのかを考察していきましょう。
ニュータイプ
キンバリーはいわゆる「ニュータイプ」なのではないでしょうか。
即ち直感や閃きによってその先に何が起こるかのイメージが一瞬にして見えてしまうというものです。
ややオカルトじみてはいますが、ごく僅かながらこういう直感力に長けた人はいます。
キンバリーはいわゆる「運命を変える力」はなく、あくまでもただ「予知夢」を見るだけです。
しかし、それ故に「ここはこうした方が良い」という的確な指示を後ろから出すことが出来ます。
こうすることで死の運命そのものは変えられなくても、順番を変えたり遅らせたり出来るのでしょう。
プロジェクター
しかし、これは決して架空の世界の出来事ではなく現実にこういうタイプの人間はいるのです。
いわゆるプロジェクター(ガイドする人)であり、自身では直接的に場を動かすことは出来ません。
その代わり、周りの人を適材適所に動かすことでより場の動きをスムーズにする力があります。
キンバリーはその中でも死の予知夢といった方向に特化した人間ではないでしょうか。