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『Breakthrough』は2019年にアメリカ合衆国で公開され、日本ではAmazonプライム・ビデオ等で配信されたドラマ映画です。
題材は原作者ジョイス・スミスの実体験を書いた『The Impossible』の内容になります。
ジョイスの息子・ジョンが凍った湖に落ちて、後遺症なく生還するまでを描いた作品となっております。
ここではジョンを救助した隊員が聞いた声の正体、危険な状態にある彼の近くで否定的な話を禁じたジョイスの想いを主に考察します。
『Breakthrough』はキリスト教映画である
それぞれ考察する前に頭に入れて置くべきことは、『Breakthrough』は宗教色の強いキリスト教映画である点です。
ジョイス自身が普段から教会に通うクリスチャンで、牧師とも顔見知りであるほど通っていると見受けられます。
ジョンが心配停止にあることを知った時も、「ジョンを助けてください」と彼女が神に訴えると彼の心臓が再び動くシーンもあります。
彼の意識が戻らない時もジョイスは見守り続け、ニュースを通じてテレビの前の視聴者が祈りを捧げるシーンが出てきます。
これらの要素から『必死に祈り続ければ願いは叶う』と宗教色の目立つ映画であることが分かります。
一番の謎である救助隊員が聞いた声の正体は?
ジョンを救助した隊員・トミーは湖に沈んだジョンを見つけきれず、捜索を諦めかけるシーンがあります。
ですが、彼の耳に「後ろだ!」と存在しない者の声が入ります。
存在しない者の声は作中において一番の謎であり、正体は明らかになっていません。正体は以下2点で考えられます。
1.ジョンを捨てた父親の声
ジョンは生みの親に捨てられた過去を持っています。
作中にあった家系図の口頭発表ではグアテマラの小さい街出身で、9ヶ月の頃にスミス夫妻に拾われたと彼は話していました。
ですが、この話はジョイスから聞かされた嘘の話ではないかと考えられます。
理由としては意識不明のジョンを傷ついた羊と称したジェイソン牧師の話です。
羊飼いは傷ついた羊を抱き上げて背負うと彼の子供に話すシーンがあり、ジョンは教会の前に捨てられていたのではないかと想像できます。
街のどこかではなく教会の前に置いたと仮定する場合、ジョンの生みの親は経済的に彼を養う余裕が無かったのかもしれません。
ついには生きられず死亡、ジョンの守護霊として彼を見守り続けていたのではないかと考えられます。
2.天使
もう1つ考えられる可能性としてはキリスト教で神の使いとされる天使でしょう。
ジョンの母・ジョイスは高い信仰心を持っているクリスチャンです。