彼女もまた、昔には戻れないことを知っていたのでしょう。
それでも浩介を好きになった気持ちは特別なもので、彼女にとって大切な過去だったのではないでしょうか。
彼女はパラレルワールドが実際に実現しているとは信じていません。
しかし、浩介の語る世界を信じてみたいと思ったのではないでしょうか。
だからこそ、そこで幸せに生きる自分に対して「うらやましいな」とつぶやいたのでしょう。
パラレルワールドが示すもの
本作にはパラレルワールドが何度も登場しています。
もしもあの時違う選択をしていたら、という思考の元に広がっていく平行世界ですが、人生の岐路を考えさせられる世界でもあります。
小さなことで関係性は変わる
もし髪を切ったのが私だったら、付き合っていたかも
引用:あの頃、君を追いかけた/配給会社:キノフィルムズ
真愛のセリフですが、ちょっとした出来事が未来を変えていくのが現実です。
お互いに惹かれ合っていたのに、離れなければならなかったのはちょっとしたすれ違いのせいなのです。
パラレルワールドにはない別れ
真愛にかっこいい所を見せたいという思いで浩介が選択した格闘技でしたが、それを暴力だととらえた真愛。
このことが別れの引き金になったのです。
俺は一生自分の犯した過ちを背負って生きていくのだろう
引用:あの頃、君を追いかけた/配給会社:キノフィルムズ
浩介は、格闘技を見せたことを過ちだといっていたのではありません。
おそらくその後の口論について後悔していたのではないでしょうか。
優等生なんかに惚れて、ずっと追い続けたんだ
もうやめたら、バカ、本当にバカ、何にもわかってない
引用:あの頃、君を追いかけた/配給会社:キノフィルムズ
真愛のセリフをそのまま受け止めた浩介は、話し合うことから逃げその場を去っています。
もしも不安を感じている真愛の気持ちを少しでも考える余裕があったら、二人は別れずに済んだでしょう。
もしも浩介がもう少し思慮深い性格だったら、ずっと一緒にいれたのかもしれません。
そんな世界がパラレルワールドに広がっているのではないでしょうか。
真愛もポニーテルになった理由
テストの勝負に勝ったはずの真愛ですが、なぜポニーテールにしたのでしょう。
そこには甘い初恋が隠されていました。
本当に坊主にすると思わなかった
真愛は浩介の坊主姿を見て大笑いしていますが、そこには驚きもあったのではないでしょうか。
思い切りのいい浩介の行動は、真愛にとって幼稚であり予想を超えたところにあります。
自分との約束の為、そこまでしてくれる浩介に対して好意を持ったことでしょう。
浩介が好きだと確信した
教科書を借りた時から心は動いていたことでしょう。
しかし坊主になった浩介を見て、真愛は自分の恋心を確信したのではないでしょうか。
彼女はその後もずっとポニーテールです。