どんな人間であっても人との関わり合いで生きている限り承認欲求から逃れる術はありません。
カルリートスは両親をはじめ色んな人に犯罪者としての自分を認めて欲しかったのでしょう。
しかし、両親や犯罪仲間のラモン達は犯罪者としての彼をおかしいと決めつけていました。
どれだけ多くのことを成し遂げても、カルリートスの人間性は誰にも認められないままです。
その無意識の承認欲求が張り詰めた結果大粒の涙となって出た形だと推測されます。
「黒い天使」と呼ばれたカルリートスも結局は1人の人間だったのです。
ミゲルの顔を焼いた理由
カルリートスは様々な犯罪行為を繰り返す中で、ある意味同業者といえる仲間に出会います。
それが不良少年ラモンやミゲルだったのですが、彼らとはしょっちゅう諍いを起こしていました。
ミゲルをその過程で射殺するのですが、何故この時ミゲルの顔をバーナーで焼いたのでしょうか?
嫉妬
まず1つ目にあったのは後述するラモンが絡んだときのミゲルに対する嫉妬でした。
ラモンがカルリートス以外のフェデリカという人と繋がり、カルリートスを激怒させたのです。
更にその上で同業者のホセやアナからの冷たい扱いを受けていたことで負の感情が溜まっていました。
そういう負の感情が奥底に溜まっていく内にミゲルに対しても攻撃的になっていったのでしょう。
その怒りが金庫からの窃盗の際に頂点に達して一気に殺すに至ったと推測されます。
内側には激情を持つ怖さを秘めているのがカルリートスではないでしょうか。
濡れ衣
2つ目にミゲルがカルリートスに対してお金を独り占めしたという濡れ衣を着せてきたからです。
実際は金庫をバーナーで焼いても中にお金がなく一銭も稼ぎがなく落胆していました。
それを勝手に独り占めなどと詰られては堪忍袋の緒が切れても仕方ないでしょう。
カルリートスは普段滅多に怒りを露わにしない分本気で怒ったら怖いのです。
ミゲルの誤算は彼の外面の美しさと優しさに騙されて本性を見抜けなかったことにあります。
迂闊な失言さえなければミゲルも生き延びられたであろうことが窺えます。
報復は徹底的に
そして3つ目にカルリートスの信条として「報復は徹底的に」があることが窺えます。
本来であれば銃殺しただけで十分な筈でガスバーナーで顔まで焼く必要はありません。
しかし、カルリートスは殺すならとことんまでやろうとしたのではないでしょうか。
ミゲルもカルリートスほどではないにしても中々いい面構えをしています。
それをバーナーで焼かれればこれ程屈辱的なこともまたとないでしょう。
ラモンを事故死させた理由
そしてミゲルを焼死させる前にもう1つ外せないのがラモンの事故死です。
この事故死はカルリートスよって意図的に引き起こされたものでした。
付き合いの長かったラモンをわざわざこんな形で死なせた理由を見ていきましょう。
フェデリカへの嫉妬
まず1つ目にあったのはフェデリカとラモンの関係性でした。