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生きる希望を失った偏屈で孤独な59歳の男性オーヴェの、再生と人間模様を描いたスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」。
「Tre Vänner Produktion AB. All rights reserved」の作品の1つであり、ハンネス・ホルムが監督を担当しています。
スウェーデンでは国民の5人に1人が見た作品とも呼ばれ、第89回アカデミー賞にもノミネートされました。
そんな話題の映画の1つともいえる本作には、主人公であるオーヴェの死ねない理由や「猫」などに関する様々な考察がされているのです。
今回は、オーヴェが自殺できない理由や猫・ゆりかごなど、作中における様々な点を考察していきます。
オーヴェが他人を避けるようになった理由は?
元々は父親によく似て優しく、素直な心の持ち主だったオーヴェ。
しかし映画の序盤からオーヴェは、隣人の気持ちや助けを求める声を無視し、徹底的に他人を避けていました。
なぜオーヴェは、他人を避けるようになったのでしょうか。
ここでは、オーヴェが他人を避けるようになった理由について考察していきます。
世間の人々への失望
オーヴェが他人を嫌い、避け始めたのは世間の人々に失望していたからといえます。
「白シャツ」こと公務員は規則に従い、自身が住む家をオーヴェの意思と関係なく勝手に解体していました。
また、事故で半身不随になった妻のソーニャや自身に対し、世間からの強い風当たりを表現した描写も存在しています。
「優秀でありながら、車椅子だから雇えない」という理不尽を掲げる世間の人々に、オーヴェは怒りを露にしました。
その後は抗議の電話やメール、訴訟などといったあらゆる手を使って世間に悲鳴を届けようとしています。
何時まで経っても重い腰を上げようとしない世間の人々。
このような規則のみに従って動き、少しの改善にすらも足踏みする人々に対し、失望したのではないでしょうか。
何を言っても誰も助けてくれないと感じたことで、他人に心を閉ざしたのだと考えられます。
あえて孤立しようとした
作中でオーヴェは、度々自殺を図ろうとしています。
ここから考えると、オーヴェはあえて他人に嫌われることで孤立し、自殺しやすい環境を整えたと考えられるのです。
他人から関心を持たれなくなれば、周囲の人々のことを考えなくなり、自殺の邪魔が入らなくなると考えたのでしょう。
オーヴェが死ねない理由とは?
ガンで亡くなった妻のソーニャの後を追うために、様々な方法で自殺を試みるオーヴェ。
しかし、自殺をしようとする度に中止しています。
一刻も早くソーニャのもとへ行きたがっている様子のオーヴェですが、なぜ死ねないのでしょう。
ここでは、オーヴェが死ねない理由について考察していきます。
自殺への恐怖心
オーヴェが自殺をしようとした時には、必ずといって良いほど自宅の周囲で起こる出来事にスポットが当たります。
その度オーヴェは自殺を中断し、隣人の困りごとやトラブルを解決しているのです。