本当に自殺を実行しようとしているのであれば、周囲を気にせず行うことでしょう。

ここから考えると、本心では自殺に対して恐怖心があり、隣人や猫の世話を焼くことで自身の自殺を抑止しているのではないでしょうか。

自殺の度に周囲の様子が描写されるのは、自殺の恐ろしさから無意識のうちに意識を反らしていたといえます。

愛する人々が悲しむ

幸せなひとりぼっち

オーヴェが自殺をしようとした時には、生前のソーニャや父親との日常が幻覚や幻聴として再現されています。

幻覚の内容は、オーヴェにとって転機にあたるものが多く、心に残っている言葉も再現されていました。

ここから考えるとオーヴェは幻覚や幻聴を通して、「背中を押してくれた愛する人々が悲しむ」と考えたのでしょう。

実際人が死にかけた際には、脳が生命維持ために必要な情報を引き出す走馬灯という現象が起こるとされています。

オーヴェが体験して幻覚や幻聴の数々は、まさに走馬灯といえるものでしょう。

家族や妻と過ごした日々を思い出すことで、愛する人々を悲しませたくないと思い、自殺を中止したと考えられます。

猫がオーヴェの上で寝ていた意味は?

猫は映画の冒頭から登場しており、他人を避けて生活するオーヴェの近くでいつもくつろいでいます。

映画の最後では、亡くなったオーヴェの上で眠っていました。

なぜ猫は、それまで自分に対して冷たい対応をしていたオーヴェの上で眠っていたのでしょう。

ここでは、作中では深く語られていない「猫」がオーヴェの上で寝ていたシーンが表現する意味を考察していきます。

他人との心の距離

黒猫

映画に登場する猫は野良猫であり、序盤では隣人たちと同様にオーヴェから冷たい対応をされています。

しかし脚の怪我をきっかけに、オーヴェから飼い猫のように扱われるようになりました。

オーヴェは猫の世話を欠かすことなく、自分が死んだ後でも手紙を通して猫の心配をしています。

ここから考えると、猫はオーヴェがこれまで避けてきた隣人たちの象徴と考えられるでしょう。

猫も隣人も、最初こそオーヴェから避けられていましたが、様々なトラブルをきっかけに心の距離を縮めていきます。

猫はオーヴェの飼い猫となり、隣人はオーヴェを頼って度々家を訪れるようになりました。

少しずつ親密になっていき、最後にはオーヴェの上で寝ていた猫。

この猫の行動は、まさにオーヴェと隣人たちの間に絆ともいえる深い繋がりができたことを表しているのでしょう。

オーヴェの死

小さなお墓

オーヴェの自宅前に現れる猫以外にも、作中では「猫」が登場します。

それは若い頃のオーヴェがソーニャに列車内で初めて会った時に、ソーニャが読んでいたです。

『巨匠とマルガリータ』という本には大きな猫が登場しており、ソーニャも車内で猫の話をしています。

2人の初めての会話の内容であったことから、オーヴェとソーニャにとっては思い出深いものであったといえるでしょう。

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