フィルは事業で成功し大富豪であるうえに、四肢が麻痺を抱えているため皆が気を遣って接していました。

したがって特別な気を遣わずに接してくれたり、同じ目線で喧嘩してくれるデルが嬉しかったのではないでしょうか。

さらに出自や経歴が異なるからこそ、街のホットドッグ屋さんからオペラ鑑賞まで全く違う景色を共有できるのも魅力的な関係です。

お互いに影響を与え合う存在

二人の関係は親友から派生をして、お互いに影響を与え合う存在であるとも考えられます。

デルは自らの罪を受け入れ前に進みつつ、ビジネスにも興味を持ち会社を起こしました。

フィルは閉じこもっていた殻を破り、より自分の人生を謳歌するようになります。

お互いに良い影響を与えて高め合う最高の関係を築いていたのではないでしょうか。

親子のような関係

映画の中でふたりが本物の親子のように見えた瞬間がありませんでしたか?

デルの父親は詐欺師で刑務所で再開したという最悪なエピソードが語られていました。

一方、フィルには最愛の妻との間に子供がいません。

そんなふたりだからこそ得ることができなかった親子像をどこかでお互いに求めていたのではないでしょうか。

なぜデルとフィルは別々の道を歩んだのか?

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最強のふたりとなったデルとフィルでしたが最終的には別々の道を歩んでいきます。

なぜふたりは元の雇用関係に戻らなかったのでしょうか?

ヒントが隠されているのはリリーの語った読み聞かせの絵本の内容です。

完璧を求めて一部が欠けた円グラフが旅に出る物語でしたが、せっかく見つけた完璧なカケラを手放します。

デルはクビになったあと、絵を売ってもらった資金を元手に車椅子の事業を立ち上げました。

デルが見つけた打ち込める事業がもっと発展することを願ってふたりは別々の道を歩んだのではないでしょうか。

現代にはびこる社会問題

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本作の中で描かれていた現代にはびこる社会問題。

実話に基づいた本作だからこそ、考えさせられる内容ではないでしょうか。

身体障がい者に対する偏見

まずは身体障がい者に対する偏見です。これを象徴的なシーンがホットドック店での店員とのやりとりにありました。

オーダーをフィルではなく介護人のデルに聞いてきます。

障がい者は自ら意思決定ができず、全てを介護人に委ねているという偏見がそこにはあったのではないでしょうか。

また、フィルは周りが気を遣い接されることを極端に嫌っていました。

障がいを抱える人は可哀想、憐れといった偏見の目に日頃から晒されているのでしょう。

人種による差別

白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書)
人種による差別は未だ根深い問題として現代社会にはびこっています。

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