映画内でも黒人と白人による経済格差も描かれており、居住地や仕事内容も大きな差がありました。
貧しく治安の悪い環境に置かれてしまったデルは生きるために犯罪に手を染めてしまったのではないでしょうか。
犯罪からの社会復帰
犯罪者の社会復帰というのも大きな社会問題として挙げられます。
社会的なサポートがないと再就職などが難しく、再度犯罪に手を染めてしまうケースも多い現状です。
デルも最初は仕事など長続きしないと諦め半分でサインだけを集めていました。
職業訓練など行政のサポートに加え、地域住民の理解も問題の解決に必要不可欠でしょう。
ブライアン・クランストンとケヴィン・ハートの化学反応
ニール・バーガー監督の『THE UPSIDE/最強のふたり』。
フランスのオリジナル版をうまくリメイクしつつ、大ヒットを記録した理由には出演者の演技力がありました。
コメディ俳優として成熟されたケヴィン・ハート
まずは本作の中でお調子者でコメディ要素を存分に発揮したケヴィン・ハート。
彼はスタンダップコメディアンとしてキャリアをスタートさせた経歴をもつ俳優です。
その後、ケヴィン・ハートは数々のコメディ映画に出演。頭角を現していきます。
本作と同年に公開された『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』での演技も評価が高いです。
彼がコメディ俳優として成熟されてきた証といえるでしょう。
演技力に定評のあるベテラン、ブライアン・クランストン
四肢の麻痺を抱えた大富豪という難しい役柄を高い演技力で表現したのがブライアン・クランストン。
俳優としてのキャリアの他にも声優や演出家としても多くの作品に関わってきた経歴があります。
映画俳優としてはハリウッド版『ゴジラ』の出演が日本人にとっては馴染みが深いのではないでしょうか。
そんなブライアン・クランストンが主演を務め、大ヒットしたのがテレビドラマ『ブレイキング・バッド』。
2008年から2013年まで放送されたこの作品で彼はゴールデングローブ賞にもノミネートされています。
肉体的にも精神的にも難しい役どころをこなせたのは彼の俳優や演出家としての経験があるからではないでしょうか。
最強のふたり
人はみな、独りでは生きていけません。私たちはどこかで誰かに依存しあって生活しています。
せっかく人と関わるのであれば年齢や見た目、経歴、過去などで判断せずに人と関わってみてはどうでしょうか。
そういったメッセージが本作には込められていると考えられます。
心で繋がっているデルとフィルは、そうしたいろんな偏見や困難を乗り越えて最強のふたりになりました。