出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B08DKMVLWS/?tag=cinema-notes-22
『新しき世界』は、暴力シーンが多く国内PG12での公開となりましたが、善と悪の境界を考えさせられる話題の映画となりました。
犯罪組織や潜入捜査、そして警察組織のブラックな一面を浮き彫りにし、主人公ジャソンの人生にフォーカスを当てています。
口数の少ないジャソンの生き方には多くの意見が飛び交いましたが、彼はなぜ会長になることを決意したのでしょう。
そしてチョン・チョンがジャソンの前で潜入捜査官を殺した意図は何だったのでしょうか。
韓国映画に描かれた歴史的な裏側も視野に入れ、本作品を詳しく紐解いていきましょう。
ジャソンが会長になることを決めた理由
警察官として潜入捜査をしていたイ・ジョンジェ演じるジャソンは、なぜ犯罪組織の会長になったのでしょう。
彼の心変わりには、様々な想いが交差していたようです。
警察に信用されていなかったから
ジャソンの正体を知るカン課長は、彼のことを信用していませんでした。
見張りをつけていたり、新世界プロジェクトの内容を知らせなかったりとまるで敵であるかのように利用します。
俺は一体なんだ、ヤクザも俺を信じるのにお前らは疑う
引用:新しき世界/配給会社: ネクスト・エンターテインメント・ワールド
ジャソン自身も信用されていないことに不満を持ち続けているのです。
自分の命をかけて臨んでいる仕事なのに、カン課長は誠意をもって報いようとはしていません。
潜入捜査を続けていくうちに、彼の中で警察への不信感が募っていたのではないでしょうか。
カン課長やコ局長に憎しみを持っていた
辞表を出して今後はヤクザとして生きろ
お前が元警察だと奴らに知れれば…
引用:新しき世界/配給会社: ネクスト・エンターテインメント・ワールド
ジャソンはまるで脅されるかのように、潜入捜査の継続を命じられています。
彼の視線からカン課長を見れば、まるで極悪非道な人物なのです。
会長の座についたのは、彼の支配下から逃れる為だったとも考察出来ます。
生き残る為
ファン・ジョンミン演じるチョン・チョンは死に際にジャソンへ下記の言葉を残しました。
そろそろどちらかを選べ、お前が生き残る為だ
強くなれ、強く生きるんだ
引用:新しき世界/配給会社: ネクスト・エンターテインメント・ワールド
チョン・チョンはジャソンを警官だと知りつつも彼との友情を信じていたのでしょう。
ジャソンを大切に思うからこそ、生き残る為に決断しろといったのです。
おそらくカン課長がジャソンに酷い仕打ちをしていたことを知っていたのではないでしょうか。
どちらか選べという裏には警察官を辞め犯罪組織の頂点に立て、という想いが込められていたはずです。
カン課長によって自分が警察官であるという事実が全て消されてしまった以上、犯罪組織で生き残る道は会長の椅子に座ることだったのでしょう。
彼は生き延びる為に覚悟を決めたのです。