アルマがシャッフルをして「このカード?」と裏面のままカードをローズへ差し出すと、「いいや、彼の膝の上に座っているよ」とアルマの右隣の男の膝に、ローズが選んだカードがのっかっていました。
このシーンはほんの一瞬でさり気なかったですが、彼の相当なマジックの腕前が分かるシーンなのです。
この時、序章に出てきた「アイの招待状を仕込んだパーカー男」と結びつける事が出来ましたか??
フォー・ホースメン第2幕~保険会社の復讐~
第2幕の舞台はニューオーリンズ。
この舞台では普通のマジックショーに見せかけてアーサーの口座から市民の口座へお金を移動させるという、現実ではあり得ないイリュージョンを見事成功させました!
ターゲットは保険金会社のアーサー
ニューオーリンズ大災害で保険金を受け取れなかった観客たちを助けたヒーロー!
という好印象をフォー・ホースメンに与えつつ、シュライクに渡るはずだった保険金を拒否した復讐相手であるアーサーを陥れるこのショーはまさにウィンウィンという事です。
ローズも、さぞかし気持ちが良かったでしょう。
とはいえ、これは復讐の序章に過ぎませんが…!
機内での読心術遊びは「秘密の質問」の答えを知る為
黒幕と少しズレますがここは非常に痺れるポイントなので、触れておきましょう。
観客の口座にお金が振り込まれて盛り上がっている中、アーサーはお前の仕業か?とメリットに問いかけます。
すると4人は、
「パスワードを知らない」
「本人しか知らない情報も必要なのよ」
「母親の旧姓や最初のペットの名前とか」
「分かりっこないよ、教えないだろ?」
引用:グランド・イリュージョン/配給会社:サミット・エンターテインメント
と涼しげに答えて、会場をカッコよく去りました。
そう、機内でのダニエルの全然当たらない読心術はすべて秘密の質問の答えを聞き出す為だったのです。
全然当たらないダニエルに得意げにペットの名前や母親の名前をぺらぺらと喋る姿を思い出すと、アーサーはさぞかし羞恥心でいっぱいだったはずです。
「フリーズ」は警察の足を止める為
フォー・ホースメンが舞台から去ろうとする時、自らあの言葉「フリーズ」を発して催眠術にかかった12人が襲って来て取り逃がしますが、これもすべて計算内。
自分が真っ先にステージに出て襲われることで、警察の足はそれより先には出ない事を分かっていたからです。
エルコーンの金庫騒動
エルコーン金庫騒動の場面では、復讐への覚悟の堅さと黒幕のヒントが隠れていました。
キッカケはジャックが持つ極秘資料
チェイサー劇によって事故死(本当は車がすり替えられているので無事)したジャックの車が燃え尽きているのにも関わらず、ローズは必死に車内へ入りジャックが持つ書類を手に入れました。
これには2つの意味があると考えられます。
- ジャックではなく他の死体という事がばれないようにする為
- 警察をエルコーンの金庫へと誘導する為
すり替えられた車には死体安置所から盗まれた死体をのせていた為、勿論他の人に気付かれては大変です。
自分が真っ先に行き、爆発寸前まで助けるふりをしました。
また、書類が無い事には警察やFBIをエルコーンの金庫へと誘導する事が出来なくなるので、絶対に必要でした。
トラック転倒まで起こして命がけで復讐劇を信仰するローズは、その為に全てを犠牲に出来る覚悟だったという事がよく分かります。
指揮官の催眠術を引き起こした
ローズの「No~」という言葉によってボスが催眠術を起こし、突然ヴァイオリンの演奏を始めるシーンがありました。
何故ローズが、聴こえもしない音楽をベートーベンの楽曲と答える事が出来るのか、それはメリットがアイから指示を受けてボスに催眠術をかけている事を知っているからです。
そう、ローズこそがアイという事をここでもほのめかしていたのです!
…もしかしたらローズ自身が読心術をかけたのかもしれませんが。
フォー・ホースメン最終幕~サディアスへの復讐~
マジックとは?
計算されただましです
楽しませ 感動させるもの
信じること 信頼 信用
それなしに芸術としてのマジックは存在しません
でももしそれが 悪用されたら?
不正や詐欺に使われたら?
私利私欲の道具に使われたら?