出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B001FO0UA0/?tag=cinema-notes-22
一世を風靡した人食いザメによるパニック映画『ジョーズ3(原題:JAWS3-D)』。
時代を越えても色あせない、元祖サメ系パニック映画はやはり見ごたえがあるものでした。
本作から、JAWSシリーズの主人公であったブロディは引退し、息子のマイクが主人公となっています。
マイクは父親が危険視してきた海に関わる仕事をしていますが、マイクがブロディから受け継いだものとは何でしょう。
さらに、作中では人工飼育によって子ザメを飼育しようとしましたが、結局死んでしまいました。
人工飼育は、サメにとってどんな影響のあるものなのでしょう。
そして、カメラマンのフィリップは自分が「生餌」となって、母ザメを引き寄せます。
危険であることを承知して、この行為に出た決意の裏側とは何だったのか。今回はこれらについて考察します。
JAWSシリーズ過去作より
マーティン・ブロディから、主人公が息子のマイケル・ブロディ(愛称:マイク)に変わった本作。
父親は警察署長でありながら、海の危険さを良く知る人物でした。
では、息子のマイクは父のこれまでを見て、何を思い水族館の施設エンジニアをしているのでしょうか。
マイクはこれまでにもサメに襲われている
父親のマーティンは、誰よりも海の怖さ、とくにサメの怖さを知っています。
何といっても『ジョーズ』『ジョーズ2』で、二度もサメの襲撃を経験しており、二度目では、息子たちを失いかけたからです。
だからこそ、海に対する恐怖心は人一倍持っていますが『ジョーズ2』でサメに襲われた、マイクは全く海を怖がっていません。
つまり、マイクはサメに襲われるという恐怖体験を持ちながらも、それがトラウマになることはなかったのです。
その図太い神経は、ある意味父親を反面教師にしているというところでしょう。それは、弟との対比にも表れます。
弟のショーンは「おやじ似」
父親を反面教師とし、海に近い場所で勤務するマイクですが、弟のショーンはその反対に位置する存在で表現されています。
弟も『ジョーズ2』で、サメの襲撃を経験しており、この経験はショーン「には」トラウマものの経験となりました。
昔アミティでサメに襲われた。それで今はコロラドに。島育ちだというのにさ。おやじ似なんだ。
引用:ジョーズ3/配給会社:ユニバーサル映画
弟は「おやじ似」とマイクは語ります。つまり、この場面ではマイクに対して、ショーンを対比させているのです。
対比の内容は、マイクはマーティンとショーンと比べて、海に対する恐怖心を全く持っていないということ。
弟のことを語るマイクの言葉をひっくり返した内容が、マイクという人柄に当てはまるのです。
マーティンから譲り受けたもの
マイクがマーティンの対極に位置する人物といっても、やはり親子であり、マイクは父親から受け継いでいるものがあります。
それは、危機察知能力でした。
父親の行動も早かった
作中マイクは、彼女である生物管理担当のキャスリン・モーガンよりも、サメの恐怖を物語っていました。
人食いザメの安否が話題になって、飼育中の私たちの写真が毎日世界中のマスコミを飾るわ
引用:ジョーズ3/配給会社:ユニバーサル映画
これは子ザメを捕獲したときの、キャスリンのセリフです。このセリフに対して、マイクは飼育することの危険性を訴えます。
その訴えは、現実となって人々を襲いました。
サメに対する危機察知能力は、作中の誰よりも早く的確であることは、父親が2度もサメの危険に遭遇したことから学び取っているのです。