ヨノイはセリアズに惹かれつつも、その気持ちを認めようとせずひたすら隠し続けているのでしょう。
セリアズは、自分の命をかけヨノイに愛を伝えたのではないでしょうか。
キスの背景にある愛情
実は、セリアズは突然キスをしたわけではありません。
そこに至るまでにヨノイとの間には「愛」のやり取りが存在していたのです。
ヨノイの想いはセリアズに届いていた
冒頭部分の裁判のシーンでヨノイは一目てセリアズに惹かれています。
セリアズの文化であるシェイクスピアの言葉を使ったことで、壁を少し壊しているのです。
その後も、行の途中で規則を破ったセリアズを咎めていなかったり、毎晩捕虜の建物に通っていたりしていました。
おそらく自分ではその思いが「愛」だと認めていなかったのかもしれません。
しかしセリアズは下記のセリフのように、ヨノイが自分を好んでいることを感づいていたのでしょう。
彼も同じ穴のむじなだな
引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド
セリアズの想い
劇中では少々伝わりにくいですが、セリアズもヨノイに愛を感じています。
脱走の際にヨノイに戦いを挑まなかったのは、愛するヨノイを壊したくないからでしょう。
ここは美しい
引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド
上記のセリアズのセリフも、ファンの中では愛の表現であると有名です。
きりりと立つヨノイに向けていい放ったセリフだ、と考えられています。
自分だけ特別扱いされていることも、愛されているからだと感づいていたはずです。
彼はヨノイの愛を試すかの如く、反抗的な行動をしていたのかもしれません。
ハラが満面の笑みでいったセリフの意味
ビートたけし演じるハラは、ラストシーンで満面の笑みを浮かべています。
この時彼がいったセリフにはどんな思いが秘められていたのでしょうか。
最高のプレゼントをありがとう
メリークリスマス、ミスターローレンス
引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド
最後のハラのセリフは、劇中の同セリフと繋がっています。
捕まっていたローレンスを何とか解放出来た喜びを、同じ言葉で表現していたのです。
その時のハラは自分はサンタクロースであり、ローレンスに命というプレゼントを贈ることができたのです。
死を間近に控えたハラは、今度はローレンスに魂を救ってもらったのでしょう。
だからこそ、満面の笑みで微笑んだのではないでしょうか。
友情を忘れない
ローレンスが捕虜になっていた時、ハラとローレンスの間には友情がありました。
立場が違えど、通じるものがあったのでしょう。
戦場でお互いの本心をぶつけ合った友なのです。
ハラは、二人で過ごした当時のまま気持ちは変わらないという意思を伝えたのではないでしょうか。