ローレンスは、自分達が勝ったことを悔やんでいましたが、それはハラを死刑にしなくてはならないからです。

劇中には描かれていませんが、原作でローレンスはハラを救うために動いています。

おそらくハラもそんなローレンスの気持ちを理解していたのでしょう。

もしも、立場が逆だったらハラはローレンスを殺すことになったかもしれないのです。

自分達が負け、殺されるのが自分で良かった…そういう気持ちも笑顔には隠されていたのではないでしょうか。

日本兵の真実が描かれている

Merry Christmas Mr. Lawrence

本作が異色の戦争映画といわれるのは、日本の美徳を反対側の視線で描いたからではないでしょうか。

日本人の悪を描いている

大島渚監督は、劇中で日本兵の暴力性を隠すことなく描いています。

彼らが思考に捕らわれ、規則が全てであるかの如く行動している様子はどこか滑稽にも映るのです。

戦時中、日本兵とはこうあるべきだという理想を描きつつも、それに苦しむヨノイやハラの姿を映し出し矛盾を観る者に感じさせました。

個人では何もできず、集団になって発狂した

引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド

上記のセリフは、日本人のマイナス面を如実に表す言葉です。

敗戦間近の日本を客観的に観る

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本作は敗戦が間近の日本の様子を、海外の目から捉えています。

彼らは過去に生きている

救われないな

引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド

勢いに乗って各国を支配してきた日本の最後の姿は、哀れみを持って受け止められていたのかもしれません。

人としての葛藤

劇中、ハラは優しさを随所に観せており心優しく好奇心の旺盛な人物像が描かれています。

武士の情けです。

勤務中の事故死とすれば金本の遺族に恩給が下がります。

引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド

家族のことを思うハラの姿は印象に残ります。

彼はローレンスと死への覚悟が違うと話ながらも、相手の意見を否定せず好奇心を持って受け入れていました。

つたない英語で呼びかけたラストシーンも、彼の素直な心が伺えます。

出来れば君たちを全員招き、桜の木の下で宴会を開きたかった

引用:戦場のメリークリスマス/配給会社松竹,松竹富士,日本ヘラルド

ヨノイの上記の言葉も人としての本心ではないでしょうか。

彼らは戦争という名のもので、見えない何かに支配された犠牲者だったといえるでしょう。

大島渚監督は、人の心を移し出すことが出来る鬼才なのです。

心の戦争を描いた名作

Merry Christmas Mr Lawrence

『戦場のメリークリスマス』は、戦争映画でありながら戦闘シーンはなくそれぞれの心の葛藤を描き出しています。

当時の戦時下の日本という歴史的背景を知ることで、更に深みを増して観ることが出来るはずです。

また原作となった「影の獄にてを読んでみるのもいいかもしれません。

この映画は観れば観る程、素晴らしさが身に染みてくる傑作といえるでしょう。

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