しかし、この家族像はかつての高度経済成長期へのアンチテーゼなのではないでしょうか。

中産階級の家庭が安定していたのはあくまでもバブル期だからこそ通用した贅沢です。

根本的な社会の構造が時代と共に変わり、それに併せて家族像も変化しないといけません。

そのことに気付かず、昔のままの家族像へこだわっていると簡単に時代の敗北者となります。

この家族を待ち受けているのは搾取された挙句の自己破産と家庭崩壊でしょう。

ライザがキーを盗んだ理由

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物語後半でどんどん険悪になっていくリッキーの家族にある1つの事件が起きたのです。

何と娘のライザが車のキーを盗んでリッキーを仕事に行けないようにしてしまいました。

やんちゃなセブなら兎も角、ライザがこのような行動に及んだ理由は何でしょうか?

元の家族に戻したい

1番の理由はライザが個人事業主になる前の平和な家族に戻したかったからです。

リッキーが宅配業を始めてからというもの、どんどん家族仲は険悪になっていきました。

セブは反抗的な行動を起こすようになり、更にアビーとの口論も絶えなくなるのです。

ライザは静かで控えめな性格ですが、ここぞという時には自身の意見も主張しています。

そのライザに非行に走らせてしまうほど危険な状態だったことを訴えたのでしょう。

元の家族で居る為に違法紛いのことまでしないといけないのが恐ろしい所です。

休めないリッキーの悲劇性

悲劇の哲学―シェリング芸術哲学の光芒 (叢書シェリング入門)

2つ目に演出意図として、休みたくても休めないリッキーの悲劇性を強調しているのです。

このシーンに至る前に、リッキーはマロニーから休むのには代理を立てろと命令されます。

しかし、これを拒否して無断で休めば100ポンドも罰金として払うことになるのです。

これは完全にマロニーの横暴であり、下手すれば訴えられてもおかしくありません。

しかし、職を転々とした現場叩き上げのリッキーにそんな知恵や考えは及ばないのです。

悪循環に陥って心身共に潰されていくリッキーの様がいたたまれません。

自己犠牲の醜さ

そして3つ目に、娘のライザを通して「自己犠牲の醜さ」が描かれているからです。

リッキーは家族を幸せにしたいが為に個人事業主として働くことに決めました。

それが家族を不幸にし、逆にどんどん良くない出来事ばかりを引き寄せています。

ライザもアビーも、そしてセブもそんなリッキーが痛々しくて見ていられないのです。

これは家族からの父に対する心の叫びだったのではないでしょうか。

セブが問題行動を起こす理由

5つの問題行動別「手に負えない思春期の子」への関わり方

リッキーがキーを盗む前にセブもまた数々の問題行動を起こしていました。

学校で相手を怪我させての停学処分や両親が買った高額なジャケットを売ったりします。

何故このような真似を彼はしてしまうのでしょうか?

子は親の背中を見て育つ

1番の理由として、子は親の背中を見て育つということが挙げられます。

すなわち、セブの問題行動は父リッキーの背中を見て真似したことになるのです。

ずっと借金苦で職を転々とする情けない父の姿をセブは鏡写しで真似しています。

子供が問題行動に走るときはその殆どが家庭環境に端を発するものです。

まして男の子ですから、その辺りがどうしても露骨に出てしまうのでしょう。