一部を挙げるなら、楊晴明。
彼は『大日本帝国食菜全席』を作るために呼ばれた現地の人間ですが、陛下暗殺の濡れ衣を着せかけられます。
作成を依頼した三宅少将も自決しましたし、レシピは呪われていると言われても不思議ではありません。
レシピ作成に関わっている人が料理に取り憑かれる
山形の妻・千鶴が幸を出産してから亡くなった時、山形は彼女が好きだったビーフカツレツを作り始めます。
作り始めた彼としては、料理でしか気を紛らわせられないと料理バカ的な考えが入っておりますが、端から見たら正気とは思えません。
妻が亡くなっても料理に走る彼の異常性を見た鈴木料理長は、レシピが呪われていると言ったのではないかと考えられます。
鎌田が料理の練習を重ねていた理由
『大日本帝国食菜全席』作成の際に山形の助手として動いていた料理人・鎌田の正体は、山形を監視する任務についていた軍人でした。
ですが、彼は深夜の厨房で料理の練習を重ねていた場面があります。
監視が任務であるならば、料理の練習は必要ないはずですが、なぜでしょうか。
考えられる要素は2点あります。
生粋の料理人である楊晴明と山形を見て感化された
大きな任務にあてられた山形と楊晴明は、優れた料理人です。
監視の任務にあてられた鎌田は料理人としての腕は、2人と比べて低い位置にあります。
2人の高い料理スキルを目の前にして、鎌田も2人のように料理がしてみたいと感じたのではないでしょうか。
監視の任務に就いている自分が嫌になった
『大日本帝国食菜全席』は作成と共に謀略に使われることは、決定事項にありました。
この謀略は三宅少将が山形に話すまでは、レシピ作成者で使われ方を唯一知っているのは自分1人です。
悪いことに使われることも知らず、熱心にレシピを作っている山形と楊晴明に申し訳なさを抱いていたのでしょう。
山形が三宅少将の意向に反抗して処分された時も、彼が強い罪悪感に襲われている場面がありましたので、嫌気が差したと考えられます。
物語最後で山形と佐々木が微笑む意味は?
物語最後に、山形と佐々木が料理しているところを世代別で交互に映す場面があります。
2人は同時に料理を終え、それぞれ微笑む場面がありますが、どのような意味があるのでしょうか。
考えられるのは、山形がレシピに込めた思いが「孫に通じた」というところです。
お互いに完成品を置いて、正面を見据える場面があります。