プレンダガストはある程度ウィリアムの事情を承知していた可能性があります。決して彼を射殺したいとは思っていなかったはずです。

エスカレートする武器

ロケットランチャー 様々な偶然が重なりウィリアムの所持する武器は次第にエスカレートしていきました。

最初はバット、それが機関銃になり、やがてロケットランチャーまで行き着きます。

でも結局最後に彼が手にしていたのは娘の水鉄砲でした。なんとも心憎い演出といえます。

これらは人の攻撃性に歯止めがないことを表しています。機会さえあれば人の攻撃性は際限なくエスカレートしていく可能性があるのです。

死を選んだ理由

ウィリアムがプレンダガストを挑発して、本当は水鉄砲なのに危険な武器を持っているように見せかけたのはなぜでしょうか。

彼はプレンダガストの手に掛かって決着を付けたかったのです。

娘には会えましたが、元の生活に戻ることの不可能と自分のそれまでの行動を考えれば残された道はそれしかなかったのでしょう。

確かに動機はさておき彼の行動は度を過ぎていたことは確かです。

ただ彼が自ら手を下して殺害したのはミリタリーショップの社会的に極めて危険な店主だけだったことを忘れてはいけません。

目的と手段

アメリカ 何か物事をなすときは「正しいこと」を「正しく」やらなければいけません。目的と手段があるのです。

どちらが欠けても問題を起こすことになる可能性が高いといわざるを得ません。

ウィリアムの問題意識と極端だった手段

ウィリアムが正そうとした社会的な矛盾や理不尽性は当然といえば当然でした。

地域に溶け込まず客を客とも思わないアジア系の商店や街のチンピラには問題があります。

あまりにも大きな格差も是正されねばなりませんし、予算消化のための公共工事も論外です。

彼の問題意識、何とかしょうという目的は正しかったといわざるを得ません。

ただし手段には大きな問題がありました。彼は決して計画的に意図してあのような行動をとったのではありません。

一種の成り行きだったのでしょう。結局はそれが彼を死に追いやってしまいました。

プレンダガストとの違い

プレンダガストもウィリアムと同様、様々な問題を抱えていました。

ウィリアムのようにぶち切れても決しておかしくない状況にあったといえます。

でも退職間近の彼は全ての理不尽に耐え抜こうとしていました。同僚のサンドラ刑事からみても我慢しすぎのようでした。

プレンダガストとウィリアムは基本的に大きな違いはなかったのかも知れません。

我々と同様二人とも社会のありように矛盾を感じながら、様々なことに我慢して生きていました。

ウィリアムに起こったような事件の切っ掛けとなる偶然が、たまたまプレンダガストには起こらなかっただけかも知れません。

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