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『ひつじのショーン UFOフィーバー!』は2019年公開の長編劇場版二作目です。
アードマン・アニメーションが描くSFの世界は、新たなショーンたちの魅力をファンに伝えてくれました。
今回初登場した宇宙人のルーラですが、ショーンはすぐに彼女と打ち解けています。
ショーンの人柄ならぬ羊柄を読み解きながら、二人の関係を探っていきましょう。
また、ただの悪役では終わらないエージェントたちのその後は…。
優しい空気で満たされる「ひつじのショーン」の新世界を覗いていきたいと思います。
ショーンとルーラがすぐに打ち解けた理由
「ウォレスとグルミット」に登場したショーンは、ファンの心をぐっと掴み本シリーズで主役を射止めています。
素直で気さくなショーンは、なぜすぐに宇宙人であるルーラと打ち解けることが出来たのでしょう。
ショーンは世話好きな性格
ショーンのバックグランドを覗いてみると、彼は牧場のひつじたちのリーダーです。
またシリーズの中では面倒見がよく、ティミーの面倒を見ている姿が描かれています。
更に親友のビッツァーが困っている時も、直ぐ助けてあげる世話好きの性格なのです。
ショーンは突然現れたルーラに対しても、世話好きな性格が出ているのかもしれません。
好奇心があり偏見のないショーン
普段はしっかり者のショーンですが、好奇心は旺盛で新しいものをどんどん取り込んでいく一面があります。
未知の生物に対しても、警戒心よりも好奇心が先に立ったのではないでしょうか。
ルーラの力に興味を持ったのも、二人が打ち解けるきっかけとなったものです。
TVシリーズの中でも不時着した宇宙人にトイレを案内するストーリーが描かれており、偏見のない彼の様子も印象的です。
本作でも人間たちが宇宙人を異生物として、扱っているのに対して何の隔たりもなくすぐ打ち解けています。
二人の様子は、姿や形が違っても何の壁もないことを示しているのでしょう。
ルーラは自分を好いてくれる人がわかる
一方ルーラは、無邪気な子供のように描かれていました。
おそらく彼女は、ショーンが自分に敵意を向ける存在ではないことをすぐに理解したのでしょう。
実際に子供も相手の思いを察するものです。
前作ではショーンは子供側の立ち位置でしたが、本作では兄という立ち位置になっています。
群れのリーダーであるショーンに、ルーラは頼れる何かを感じたのかもしれません。
悪戯好きの共通点
何よりも大きい要因は悪戯好きという共通点ではないでしょうか。
ショーンはいつも仲間たちと悪戯をしてビッツァーを困らせていますが、ルーラも同じように悪戯をしてショーンを困らせています。
二人の間には悪戯という共通点があるので、直ぐに打ち解けることが出来たのでしょう。
またルーラは、牧場のひつじたちとも笑顔という共通点で打ち解けています。
セリフのない世界だけに、彼らの表情は多くを物語ってくれるのです。
エージェントのその後
本作の敵として登場したのが宇宙人探知省のエージェントたちです。
敵役とはいえ、どこか憎めない彼らはその後どんな道を進んだのでしょう。
エージェント・レッド
彼女は当初無表情で冷酷なイメージがありましたが、彼女の過去を知ると無理矢理大人になってしまった人物ではないかと感じます。
宇宙人の存在は否定しなくてはならない、けれど忘れられない…トラウマを抱える女性です。
だから彼女はエージェントとして宇宙人探知省の仕事についたのではないでしょうか。
ラストで自分の信じたものが本当だったことを知り、張り詰めていた空気が一変しています。
これからの彼女は宇宙人に対して、友情を持って接していくのかもしれません。
マギンズ
ロボットにも感情移入出来てしまうのが、アードマンの魅力なのではないでしょうか。
「メン・イン・ブラック」のトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスの姿からインスパイアされ生まれたのが、レッドとマギンズです。
マギンズはレッドの影響を大きく受けているので、今後もレッドの良き相棒としてエージェントを続けていくのかもしれません。
オマージュたっぷりの作品
本作には遊び心が沢山詰まっていて、他の映画へのオマージュも散りばめられています。
本作のスタッフは皆スピルバーグ監督のファンだということで、劇中にも「未知との遭遇」や「E.T.」などへのオマージュが散りばめられています。