出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0851Z38DT/?tag=cinema-notes-22

映画『荒野にて』は日本で2019年公開の、ウィリー・ブローティンの原作小説を実写化した作品です。

監督はアンドリュー・ヘイ、主演を『ゲティ家の身代金』のチャーリー・プラマーが務めています。

少年役ながらも非常に演技力の高いプラマーは以下の功績を残しました。

第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、プラマーが新人俳優賞に相当するマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/荒野にて

物語は幼い頃母に捨てられ、更に父も亡くして孤独になった15歳の少年チャーリーの伯母探しです。

さしずめ「母をたずねて三千里」ならぬ「伯母をたずねて三千里」でしょうか。

世界名作劇場のテイストを借りた牧歌的な作風は現実の煩雑さから遠ざけてくれます。

本稿ではチャーリーがラストに振り返った意味をネタバレ込みで考察していきましょう。

また、ピートと逃げた理由やシルバーに暴力を振るった手を握り締めた理由も併せて読み解きます。

自分の「居場所」を探す物語

居場所――生の回復と充溢のトポス

本作はチャーリーとピートの旅を通じて自分の「居場所」を探す物語として描かれています。

牧歌的な作風でありながら、テーマは非常に現代的で若者の心を的確に捉えているでしょう。

15歳という非常に多感な思春期はそれだけでもドラマになり得るものを内包しています。

そんな多感な少年がいきなり自分の与えられた居場所を全て失ったらどうすればいいのでしょうか?

それまで当たり前にあると思っていたものが突然なくなっても決しておかしくないのです。

いわゆる文明の利器と呼べる携帯やPCなどが殆ど出てこないのもその演出意図を強調しています。

時代が変わったとしても、本質的な青少年特有の孤独や飢餓感は変わらないのかもしれません。

青少年特有の孤独をストレートに描いた本作が何を伝えてくれるのかを見ていきましょう。

ラストに振り返った意味

過去の自分を振り返る人だけが成功する理由

本作のラストはチャーリーがランニングしている中で、ふと後ろを振り返ります。

果たしてそこにはどのような意味が込められているのでしょうか?

余裕が生まれた

「あるある」で学ぶ 余裕がないときの心の整え方 できるビジネス

まず1つ目に、後ろを振り返る程の余裕が生まれたということではないでしょうか。

母のみならず父まで失い、最後には元競走馬の相棒ピートですら失っているのです。

そう、チャーリーの人生は1口にいえば「喪失」の人生でありましょう。

伯母と再会するまでに彼は失ったものがその量と質共に多すぎたのです。

しかし、やっと見つけられた自分の居場所を得たことで、幾分安定を取り戻しました。

だからこそ後ろを振り返る、すなわち過去の自分を客観視出来るようになったのです。

人生はこれからが本番

いざという時に結果を出す本番力

2つ目に、これがランニングの途中であることを決して忘れてはいけません。

チャーリーの人生はこれからが本番だということを意味しています。

伯母という居場所を得たとはいえ、彼はもう心底分かっているはずです。

今ある自分の居場所も決して永久不滅にあるものではない有限のものであることを。

だからこそ、今ある伯母との幸せを1度振り返って噛みしめているのでしょう。

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