出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y5P7M94/?tag=cinema-notes-22
『何者』は2016年に日本で上映された邦画です。
題材は第148回直木三十五賞を取った朝井リョウが著者の同名タイトルが原作となっております。
主人公は大学の演劇サークルで脚本を作っていた二宮拓人で、彼が就職活動に苦しんでいるところからが物語の始まりです。
拓人は友達の光太郎と瑞月、瑞月の友人・理香と彼氏の隆良の5人で就職対策本部として定期的な集まりに参加することになります。
5人はそれぞれ就職活動を頑張って結果が見えてきた頃、人間の怖いところが露わになっていくというのが物語の流れです。
ここでは主人公が面接会場を立ち去った真意、ギンジは誰と似ているのか、瑞月が就職に安定を求める理由について考察していきます。
烏丸ギンジは誰と似ているのか
過去に拓人と共に演劇活動をしていた烏丸ギンジ。
彼は就職活動で演劇から離れた拓人と別れ、自分の小劇団を作って定期的に活動しています。
拓人はギンジが隆良と似ていると評していましたが、サワ先輩は拓人に似ていると話していました。
本当のところ、ギンジは誰と似ているのでしょうか。
結論から言えば似ているのは光太郎で、共通点として全力で物事に取り組み続ける姿勢です。
光太郎にはバンド活動中に生まれたファンの存在があります。
ファンの存在があるということは、観客の心を揺さぶるようなライブを全力で作っていたのでしょう。
就職活動にしても彼は自分の目標のため、密かに全力で取り組んでいます。
結果、就活の先輩である拓人や高い意識を持って活動していた理香よりも早く内定が貰えたのだと考えられないでしょうか。
瑞月が就職に安定を求める理由
元々グローバル思考であった瑞月でしたが、日本の安定した人気企業に応募し、内定を貰いました。
なぜ彼女は就職に安定を求めるようになったのでしょうか。考えられる要素は2点です。
母との暮らしを安定させるため
作中で彼女は拓人に「母と住むことになった」と話します。
原因は父の浮気で、彼女の両親は離婚する運命でしょう。両親が離婚するとなれば、お金を稼ぐ人が必要になります。
瑞月は母と2人で暮らすことが決まってから安定志向に考えをシフトしたのではないかと考えられないでしょうか。
1人でも生きていけるようにするため
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理由は父の浮気でしょう。
父の浮気から両親は離婚の流れになるのが見えるので、母への負担をかけさせないようにと考えているのかもしれません。
また、最初から潰れない安定した企業に就職して、自ら働ける人材になれば社会でやっていけると考えたのではないでしょうか。
理香が拓人の裏アカウント名を見て悲しくなった理由
物語終盤で拓人の裏アカウントが理香に知られていたことが発覚します。
彼女はアカウント名の「何者」を見て悲しくなったと話しましたが、なぜ悲しくなったのでしょうか。考えられる要素は2点です。
何者にもなれない
「何者」とは、誰なのか分からない状態を示す言葉で、作中で考えれば記号のようなものではないでしょうか。
元々は演劇で「脚本家」として動いていた拓人ですが、就職活動を機に「脚本家」を捨て、新しい自分を目指します。
ですが、就職活動は上手くいかず、活動2年目にして未だ内定は貰えていません。
「会社員」にもなれない彼は、自分のことを記号が無い状態「何者」と名乗っているのではないでしょうか。
就活が上手くいっていない理香から見たら、可哀想な彼の状況が自分にも当てはまるのではないかと考えて悲しくなったのでしょう。
行動する気がない
裏アカウントの呟きは、他人の行動に対する彼の分析や愚痴です。
この場面は彼が未だ他人の努力などを「寒い」と斬り捨てて笑っていることが分かる部分になります。
理香は行動力を失った観測者である拓人が廃れていく未来が見えて、悲しくなったのではないのでしょうか。
面接会場を立ち去った真意
物語は拓人が面接を受けて、会場から立ち去る場面を最後に終わります。
彼が会場から立ち去る前は、面接で「自分自身を1分間で表現する」お題への回答を失敗した場面でした。
拓人は何を思いながら会場から立ち去ったのでしょうか。考えられる要素は2点です。
失敗した
面接全てを終え、「自分自身を1分間で表現する」お題への回答を失敗したことを反省しているのではないでしょうか。
最初は相手に悪いことを伝えないように堅苦しく話そうとしていた拓人ですが、途中からギンジに対する思いを語り始めます。
この部分では生き生きしている彼の姿を羨ましそうに見ていた自分や、客観視する自分について話していたのではないでしょうか。
面接官視点では自分自身の話からズレているので、失敗したと考えているのかもしれません。
演劇への情熱を思い出した
拓人がギンジの話を途中で止めた時、彼は演劇に対する情熱を思い出したのではないでしょうか。
彼は自分自身を俯瞰して見る一面があり、演劇で食べていこうとギンジと語っていたことを冷めた気持ちで見ていました。
冷静に現実を見る拓人に対し、ギンジは演劇で食べていこうと自発的に行動し、結果的に定期公演を行う劇団を作っています。
一度はギンジに冷めた気持ちをぶつけた拓人ですが、自分の目標に突き進む彼の生き方を羨ましく感じていたのかもしれません。
初めて彼が作った劇団の演劇を見た時、悪く感じたことを次々と語りますが、途中から演劇への情熱に気が付いたのではないでしょうか。
演劇の道を再び歩くことを決意した彼は面接を途中から抜け出し、再び演劇の道を歩き始める展開につながると考えられます。
作品が訴えたいことは?
拓人が就職活動を通して自分と向き合うようになる『何者』は、視聴者たちに何を訴えようとしているのでしょうか。
考えられる要素は3点です。
挑戦することの大切さ
拓人はギンジが隆良と似ていると話していましたが、全然違います。
隆良がギンジと仕事をする話になった時、「定期公演だから時間は調整できない」という理由で無くなりました。
これらの要素から隆良は博打で100点の作品を狙うに対し、ギンジは確実に10点以上の作品を作り続けていることが分かります。
点数は誰かの目に触れて初めて付けられるもので、制作過程なんてその誰かにとっては関係ありません。
出来は悪くても、自分が良いと思える制作物を出して評価され、次に改善していく。
ギンジの行動からは、挑戦することの大切さを訴えているように考えられます。
人間は怖い
ある人が部屋から出て行ってから、出て行った人の悪口が話題に挙がった場面に出くわしたことはあるでしょうか。
良い例が隆良と理香の交際期間について当事者がいない時に話すことと、理香と拓人が内定した2人を妬んでいたことが発覚した場面です。
表面上では良い顔をしていても、裏では何を言われているかは分かりません。
拓人の裏アカウント発覚後の告白は、人間の怖さを垣間見ている場面でしょう。
SNSの使い方は気をつけるべき
本作では場面の合間にTwitterの呟きがうっすらと映ります。
メインとなる登場人物全員がTwitterアカウントを持っており、中には本名で登録している人もいて危険です。
また、拓人は本名登録の表アカウントと匿名の裏アカウントを同じメールアドレスで登録しており、物語終盤では理香に特定されています。
匿名の裏アカウントでは他人の行動などを愚痴るアカウントとして利用しており、鍵をかけていません。
匿名とはいえ、個人を特定するような愚痴などは人によって気付かれる場合があるので、やるべきではないです。
SNSの悪い使い方の一例を表現しているのではないでしょうか。
まとめ
SNSの怖さや自分と向き合うことの大切さを就職活動というテーマを元に描いた『何者』。
就職活動は自分と向き合うきっかけともいわれるように、活動を控えている人にとっては成功のヒントが隠されているのかもしれません。
抽象的な表現が散りばめられており、映画を見ては考察するのが好きな方にはおすすめな作品です。