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『ポーラー 狙われた暗殺者』は、殺し屋社会を中心にテンポの良いストーリーが展開するサスペンス映画です。
主人公ダンカン(カイザー)を演じるのは、ドラマ版「ハンニバル」でも話題を集めたマッツ・ミケルセン。
引退する凄腕暗殺者の命を狙う現役メンバーたちの行動はコミカルに演出され、ダークコメディ要素が高いのも魅力。
サクサクと展開していく殺人&復讐劇が終幕すると、ダンカンとカミーユの特殊な人間関係が確立したのでした。
今回は、そんな本作の中からダンカンが度々見るフラッシュバックの理由を考察。
カミーユがカイザーの正体に気づいていたのかなどにも目を向けながら、作品の魅力に迫っていきます。
度々起こるフラッシュバックの理由
ダンカンはブラック・カイザーとしての暗殺シーンを度々フラッシュバックしていました。
夢の中、時には白昼夢のように見るそれは、ダンカンの優しさからくる罪悪感の表れだったのかもしれません。
繰り返しダンカンが見るフラッシュバックには、いったいどのような理由があったのでしょうか。
走馬灯のように流れる過去の殺人
フラッシュバックする映像は、全てブラック・カイザーが行った暗殺です。
暗殺者として働くブラック・カイザーの行った殺人は、本人が望んだものではありませんでした。
「依頼されたから殺す」ただそれだけの仕事は、人としてのダンカンの心を蝕んでいたのでしょう。
引退を目前に自分自身を見つめる時間ができたダンカンは、過去の暗殺に思いを馳せるようになったのではないでしょうか。
注目したい1つ1つの暗殺
フラッシュバック映像は1シーンが秒単位で切り替わります。
殺人という不快な場面なのでつい目を逸らしてしまいますが、実はこのフラッシュバックの中には重要な伏線が散りばめられていました。
繰り返されるフラッシュバックの中に時々少しだけ長いシーンが入っていたことに気づいた人も居たのではないでしょうか。
そのシーンこそ、ダンカンとヒロインであるカミーユとの繋がりを示唆していたのです。
グロテスクなシーンが乱立するフラッシュバックは、あまり凝視するような内容ではありません。
しかし、そんなシーンにこそエンディングへの伏線が隠されている辺りには、監督の個性的な演出を感じられます。
フラッシュバックから2人の繋がりを見抜けたか
ランダムに流れているかのように見えるフラッシュバックですが、後半になるにつれて特定のシーンが繰り返されているのに気づきます。
このシーンこそ、ダンカンとカミーユの過去の繋がりを描いていたのです。
カミーユは、ダンカンが暗殺したある家族の生き残りでした。