そして3つ目に、3人という数字から3人寄れば文殊の知恵ということも考えられるでしょう。
相手のテロリストは1人ですが、恐るべき実力を持ったアメリカンスナイパーです。
スペンサー1人だったら負けたかもしれず、事実ナイフで形成逆転されそうになります。
しかし、そこにアレクとアンソニーという最強の布陣が加われば手強い敵でも倒せるのです。
勿論3人という数が問題ではなく、連携が取れる質の高い3人であるからこそこの戦法は通用します。
非常に王道的なチームワークがここで描かれており、見事なカタルシスになるのです。
弾が出なかった理由
そしてこの緊迫した戦いの中で特に明暗を分けたのがマシンガンを撃つシーンです。
テロリストは300発も大量に積んでいたにもかかわらず、何故か不発に終わりました。
果たしてその理由は何だったのでしょうか?
勝ちに不思議の勝ちあり
まず1つ目にここで示されているのが「勝ちに不思議の勝ちあり」だからです。
劇中で何故これが不発だったのかは説明されず、ほぼ偶然や奇跡として処理されます。
ここで並の作品であれば、リロードが詰まっていたなどとそれらしい理屈をつけるでしょう。
そのもっともらしい理屈をつけずあくまでも幸運じみたものとして片付ける所が面白いのです。
現実でも勝負事において大体勝つときは幸運に恵まれ、神がかりの現象が起こるといわれます。
その神がかりの現象を映像として的確に捉えたのがこの不発だったのではないでしょうか。
理屈では決して説明することの出来ない映像ならではの説得力です。
3人に与えられた試練
好意的に解釈するならば、この不発は3人に与えられた試練だったのではないでしょうか。
それぞれに目標がありながらも、中々芽が出ず冴えない日々を送っていたスペンサーたち。
そんな3人が人生における転機として神様が与えたチャンスだったのかもしれません。
3人はそのチャンスを見事逃さず掴み、一瞬の隙を突いてテロリストに勝利したのです。
正に「チャンスの神様は前髪しかない」を体現した瞬間だといえるでしょう。
人生で成功する人はそのチャンスをしっかりものに出来るか否かなのです。
負けに不思議の負けなし
負けたテロリストに注目すると「負けに不思議の負けなし」であることが分かります。
テロリストは確かに必要な武装や狙えそうな場所、時間などはしっかり計算していたでしょう。
しかし、その時間に乗る乗客の情報が不足しており、またどこかに心の甘さ・隙がありました。
スペンサーたちが同じ列車にいることを知っていれば、形勢逆転とはならなかったかもしれません。
悪が負ける・失敗する時の原因は決まって悪側の精神性にあると相場は決まっているのです。
だから、テロリストは3人相手に負けるべくして負けたのだと推測されます。
スペンサーが捧げた祈りの意味
物語前半で3人は1度離れ離れになりますが、スペンサーはここで祈りを捧げます。
神よ、私をあなたの平和の道具にして下さい
引用:15時17分、パリ行き/配給会社:ワーナー・ブラザース
有名なフランシスコの平和の祈りですが、どのような意味があったのでしょうか?
予祝
まず1つ目にスペンサーのこの祈りは前祝い・予祝を意味しているのです。