当初感染はクランクに噛みつかれた人が感染するような、体液が混じるほどの強力な接触によるものだったようです。
その後ウイルスは変異を繰り返し、やがて空気感染するようになったのではないでしょうか。
安全に隔離されているはずのラスト・シティ内部にもウイルスが入り込んでいるのがその証です。
WCDKはそのため焦っていたのです。このままでは全人類が感染してしまうまでに時間がないと考えたのでしょう。
治療法
WCDKの存在意義はフレアウイルスの治療法を確立するためでした。
あの壮大なグリードによる実験も全て治療法を確立するための手段だったのです。
なぜ若者たちの一部がフレアウイルスに強い免疫力があるのかわかりません。
若者たちの中にも免疫がある者とそうでない者がいます。
エヴァたちは治療法の実験をするため多くの若者を集め続け、彼らの中から免疫力の高い者を選別してきました。
ウイルスに効果がある酵素も若者たちの血液の中に自然に存在するのではなく、強い精神的なストレスを掛けないとうまく抽出できないようです。
ミンホは拘束後ラボで残酷な精神的ストレスを受け続けていました。
この酵素は一種の特効薬的な位置づけに過ぎなく、ワクチンのように長い間抗体ができるものではないようです。
一時的にウイルスの増殖を抑えるのだと考えられます。
テレサによってトーマスの血液の中にはフレアウイルスを死滅させる何者かがあることが発見されます。
これを抽出・培養することに成功すれば人類がフレアウイルスに打ち勝つことができるのです。
エヴァの失敗
エヴァは最終局面で「我々は失敗した」と言います。これは何を指しているのでしょうか。
エヴァが「WCDKは正しい」と言い続けたことが思い起こされます。
エヴァは多くの若者たちを犠牲にし、選ばれた人以外の感染者を追放しました。
そのようにしてでも、人類の救済のためにフレアウイルスの治療法を確立したかったのです。
結局それがうまくいかず、フレアウイルスに屈してしまったことを失敗と言ったのでしょう。
エヴァのやり方に反抗したトーマスの中に、実は問題解決の答えがあったことは皮肉としか言い様がありません。
新しい地
救出されたトーマスが目覚めた地はどのような所なのでしょうか。そこにはブレンダをはじめ多くの仲間たちが集まっていました。
ライト・アームは廃船で旅立つと言っていましたので、おそらくここはどこかの離れ小島なのではないでしょうか。
小さなコミュニティがささやかに生活できそうな所で、ここにはフレアウイルスも及んでいないようです。
【メイズ・ランナー: 最期の迷宮】は余韻を残している
トーマスたちが行き着いたようなリトルヘブンが世界各地にできている可能性があります。
やがてこれらの交流がはじまりトーマスが持っているフレアウイルスを死滅させる力が治療法として確立した希望ある未来を予感させるのです。
フレアウイルスの正体やライト・アーム設立の経緯をはじめ、そもそも太陽フレアがなぜ暴走したのかなどの根本的な説明はありませんでした。