飛行機の音は人間の声!
「風立ちぬ」は戦前から戦中にかけての物語ということもあり戦闘機や蒸気機関車の音が多く聞こえてきますが、これらの効果音は人間の声で生み出されています。
さらに関東大震災の地震の轟音や車のエンジンなどの音も人の声によって表現されています。
その他の声優
「風立ちぬ」の登場人物の声には他にも多くの個性派俳優が起用されています。
特に堀越二郎の二人の上司、服部と黒川の声を担当した國村隼と西川まさ彦はこの二人以外には考えられないと思わせるほど人物のキャラクターに適していたのではないでしょうか。
曲と音楽へのこだわり
ジブリ作品では映画から流れる曲や音楽も常に話題となります。
「風立ちぬ」の主題歌となっている松任谷由実の「ひこうき雲」は特に心に響きます。
主題曲:「ひこうき雲」
「風立ちぬ」の主題歌は松任谷由実の「ひこうき雲」です。
鈴木プロデューサーと話をしている最中に突然かかった曲が「ひこうき雲」だったそうです。
「風立ちぬ」の制作中にふとこの曲が流れてくるとは偶然とはいえ運命的ともいえるでしょう。
その後あるイベントに鈴木プロデューサーと松任谷由実が同席した際に映画の主題歌として「ひこうき雲」を使用したい旨を公開オファーし話が進められました。
久石譲の音楽
ジブリ映画の音楽に欠かせない存在が久石譲です。
「風立ちぬ」ではこれまで以上に宮崎駿監督の音楽づくりに対する心入れが強く細かい要望があったといわれています。
しかし最終的には音楽チェックの際に映画のラストシーンを観た宮崎駿監督が涙を流したそうです。
久石譲の音楽・音づくりによってさまざまな苦労が報われたというほっとした気持ちもあったのではないでしょうか。
ドイツ語の歌:「唯一度だけ」
カストルプがピアノを弾きながら歌う曲はドイツの古典映画「会議は踊る」の挿入歌として有名な「唯一度だけ」です。
「会議は踊る」では身分の違う男女の恋物語を描いており、ただ一度の恋を歌った曲となっています。
まとめ
「風立ちぬ」はジブリ映画の中でも公開前からさまざまな憶測を呼んだ話題作となりました。
タイトルに「の」の字が入ってないことや喫煙シーン、主人公の声が適役かどうかなどさまざまな賛否両論が飛び交った作品です。
「風立ちぬ」には複数の原作や原案にオリジナル要素が組み込まれており、作品を観た人がそれぞれに解釈できる奥深い作品となっています。
宮崎駿監督は一時この作品を最後に長編アニメ制作からは引退すると表明していたので、まさに全力をかけて取り組んだのでしょう。
登場人物のキャラクターにふさわしい声優や曲などのこだわりにも注目して「風立ちぬ」を観てみると作品の隅々まで楽しむことができるはずです。