出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07SG7CXPT/?tag=cinema-notes-22
『暁に祈れ』は2018年にフランス・イギリス・アメリカ・日本で上映された洋画です。
題材は主人公であるビリー・ムーアが発表した自伝『A Prayer Before Dawn: My Nightmare in Thailand’s Prisons』が元になっています。
物語はビリーが麻薬所持・使用の罪によって逮捕され、刑務所に収容されるところからが始まりです。
収容された刑務所ではリンチや殺人、刑務官の汚職が当たり前と地獄のような場所で、彼は麻薬の禁断症状と闘いながら過ごしていきます。
そんな中出会ったのは刑務所内のムエタイジムで、彼はムエタイを覚えて心身を鍛えることを決意するというのが物語の流れです。
ここでは仏教がビリーに与えた影響、なぜ病院へ戻ったのか、手首を切った理由や父が面会に来た意味について考察していきます。
手首を切った理由
ビリーが監房で寝る際に、手首を切ってしまう場面があります。彼は何を思って手首を切ってしまったのでしょうか。
考えられる要素は2点です。
人を半殺しにしてしまったことへの罪悪感
ビリーは「麻薬を渡すから人を痛めつけろ」と指示を受けた際に、人を殴ることを拒否していました。
ですが、麻薬の強い誘惑に負けた彼は実行前に前金のような形で薬を摂取します。
そしてハイテンションのままターゲットに殴り込みに行くのです。結果、気が付けばターゲットは予定よりも傷付いていました。
ボクサーとして人を殴ることがあった彼ですが、試合以外で人を傷付けることには慣れていなかったのでしょう。
彼は罪悪感に押し潰され、ついには自殺を図ったと考えられるのではないでしょうか。
薬物中毒から抜け出せず苦しんでいる
ビリーは麻薬中毒者で、刑務所に居る間も麻薬が欲しくてたまらない状態にありました。
手首を切る前に刑務官から「麻薬を渡すから人を痛めつけろ」と指示を受けており、薬の誘惑に負けて実行に移してしまいます。
彼は実行してしまいましたが、罪悪感からか追加報酬を受け取っていません。
追加報酬を受け取っていない様子から察するに、彼は薬物依存から逃げだそうとしているのではないでしょうか。
仏教がビリーに与えた影響は?
一度手首を切って生還したビリーは、仏教の教えを得てから刑務所内のムエタイジムに行きます。
荒れていた彼が仏教から得た影響はどういうものがあるのでしょうか。
考えられる要素は2点です。
より良い人生を送るために鍛錬を始める
仏教には全体として、「この世に偶然に起こることは何もない」という基本の教えが存在しています。