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【96時間/レクイエム】は96時間シリーズ三部作の最終作です。それにしてもハリウッドは三部作が好きですね。
今作も派手なアクション満載ですが、これまでの二作品に比べるとサスペンス的な要素が大きくなっている印象です。
第一作からのテーマである父親と娘の関係も物語の中で大きなウェイトを占めています。
これだけ深い絆がある父娘であっても、重要な悩みを素直に打ち明けられないもどかしさはどこから来るのでしょうか。
娘にも子供が生まれそうで、父娘の関係も次のステージに移りそうです。
キムの父親への信頼
キムと父親であるブライアンはこれまで生死を伴う多くの危機をともに乗り越えてきました。
そういう意味では一般の父親と娘よりも格段に強い絆で結ばれているといえます。
キムの父親への信頼の根拠について詳しく見てみましょう。
レノーア殺害の犯人は父親ではないとキムが確信する理由
キムはこれまでブライアンが自分自身の生死を顧みず娘や母親を守ってくれたことを理解しています。
キムはブライアンに「行動が読める」といいますが、それだけお互いを知り尽くしているということなのでしょう。
このようなキムにしてみれば母親が殺害された際、たとえ警察が疑ったとしても父親を犯人とは考えられなかったに違いありません。
キムにとってはブライアンがレノーアを殺害する理由を全く思いつけなかったことでしょう。
むしろ、キムはブライアンが真犯人を突き止めリベンジしてくれるはずと考えたと思われます。
キムにとって父親のブライアンはそのような存在でした。警察などの既存の権威よりも信頼に足る位置づけだったのです。
行動が読めるようにとブライアンがキムに指示した理由
ブライアンは自分が警察に追われる身になった際、キムに「いつも通り生活して、行動が読めるように」と指示します。
これは父娘だけに通じるサインでした。キムは指示通りいつものコンビニでいつもの飲み物をいつもの場所からとるのです。
これによって二人が女子トイレで接触することができるようになります。まさに父親と娘のあうんの呼吸でした。
父親と娘
ここで父親と娘の関係を少し考察してみましょう。
父親にとって娘は息子とはまた違う存在ですし、娘にとって父親は母親とは異なる存在です。
特に娘が思春期ともなるとその関係は一筋縄ではいかなくなります。
キムとブライアンもそのような時期を乗り越えてきました。しかも両親が離婚するという状況の中で。
父親にとって娘とは
世の父親の多くはそうですが、父親は娘に子供のままでいて欲しいのです。
父親は「パパ大好き」といってくれていた、娘が子供の頃の思い出をずっと胸に抱いています。
ブライアンだって成人したキムに大きなパンダのぬいぐるみを買っていったではありませんか。