しかしアレックスはその後も必要に面談に通い、ジョルジュ殺しを自白させています。
これこそ彼の復讐の結末であり、最終目的だったのではないでしょうか。
アングストロームが殺人を働いた動機
利益を第一優先にするアングストロームは、なぜ殺人者になってしまったのでしょう。
彼が短気だったから
もしも彼が思慮深く、自分の行いを顧みることが出来る人物だったならば、全ての悲劇は起こらなかったといえます。
なんて酷い仕打ちだ
引用:9人の翻訳家 囚われたベストセラー/配給会社:ギャガ
自分が行っていることを何とも思わず、自分にとって不利益となることに腹を立てているのです。
ジョルジュを突き落としたのは、衝動的な犯行なのではないでしょうか。
思い通りにならない相手に対して、怒りが衝動的に襲ってきたのでしょう。
自分の野心を遂げたいから
ランベール・ウィルソン演じるアングストロームは新しい原稿をどうしても手に入れたかったのです。
彼は手段を選ばずに事を成しえようとする一面もあり、原稿を手にする為に殺人を犯してしまったともいえます。
独占出版は大きな利益を生み出し、彼は他の出版社に利益を横取りされるのを良しとしませんでした。
教え子という長い付き合いなら、話し合いでどうにか解決出来そうです。
しかし、ジョルジュが告げたように彼はすでにお金に魅入られていたのです。
君は金に魂を売ったんだ
引用:9人の翻訳家 囚われたベストセラー/配給会社:ギャガ
裏切られたと思った
アングストロームはジョルジュに裏切られたと感じたのかもしれません。
事実、結果だけを見れば商売を途中で打ち切りにされ裏切られる形となっています。
金の問題じゃない
君に書く勇気があれば分かってくれたはず
引用:9人の翻訳家 囚われたベストセラー/配給会社:ギャガ
出版社という利益ありきの会社、そして文学を生み出す筆者の間に溝が出来たのです。
ジョルジュ自身は裏切ったなどとは、思っていなかったでしょう。
なぜカテリーナは殺されたのか
劇中、アングストロームは殺人未遂もおこなっています。
なぜカテリーナが犠牲になってしまったのでしょう。
伏線が敷かれていた
まず、カテリーナが瀕死の状態になることは冒頭から伏線が敷かれています。
彼女は「デダリュス」の中で死ぬ女性の格好をしていました。
また彼女は「デダリュス」を深く愛し、アングストロームとはいわば正反対の価値観を持っています。
いつか彼は後悔することになるわ
引用:9人の翻訳家 囚われたベストセラー/配給会社:ギャガ
彼女の言葉通り、カテリーナがきっかけとなりアングストロームは後悔することになるのです。
強さゆえに殺されたのよ
引用:9人の翻訳家 囚われたベストセラー/配給会社:ギャガ
またアレックスに答えた彼女のセリフも、その後の彼女の運命を示すものとなっています。
カテリーナが聡明な女性だったから
彼女は現状を打破しようと、武器である語学を使用して応戦しようとしています。
これこそ彼女の強さであり、聡明さなのです。
そしてそれ故、彼女はアングストロームに恐れられ撃たれてしまいました。
4人は利用されたのか?
本作を観るとチェン、イングリッド、テルマ、ハビエルたちは約束のお金を手にすることなく、ただ利用されたのでは?と感じます。