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2017年に劇場公開された『22年目の告白 -私が殺人犯です-』はリピーターになることを強くおすすめしたい映画です。
この映画には伏線やミスリードが張り巡らされており、結末を知ると全く違う見方が出来る作品になっています。
物語のカギとなる改正刑事訴訟法を詳しく紐解きながら、劇中の伏線に迫っていきます。
犯人を明確にしている伏線
本作に張り巡らされた伏線は、少々複雑で結末を知るとようやく見えてくる伏線もあるようです。
クレジットに隠された伏線
映画冒頭、曾根崎を演じる藤原竜也を始めとし俳優たちがオープニング・クレジットとして紹介されます。
そこには真の犯人である仙堂を演じる仲村トオルの名前も……。
そしてその後に「依然、つかまらぬ犯人」というマスコミの見出し文句が入ります。
なんと、オープニングで真犯人の答えを提示していたのです。
ただの偶然かもしれませんが、スタッフの遊び心ともいえる伏線ではないでしょうか。
犯人は劇中で自白している
劇中で仙堂は、下記のように曽根崎の書いた著書のタイトルを紹介しています。
「私が殺人犯です」
引用:22年目の告白-私が殺人犯です-/配給会社:ワーナー・ブラザース映画
ここもオープニング・クレジットと同じくスタッフの遊び心が見える場面です。
劇中のその言葉の通り、まさに仙堂こそが殺人犯なのです。
ラストに繋がる明白な伏線
仙堂は劇中、第6の事件(里香)について触れられていないことを指摘していました。
しかし、里香が犯人に連れ去られたことは公にはされておらず、仙堂がそれを知っているのは不自然なことです。
鋭い鑑賞者であれば、ここで仙堂に疑いを持ったことでしょう。
また里香が婚約中だったことは曽根崎(小野寺)、そして牧村の2人しか知らないことでした。
仙堂が第6の事件に触れたことは、彼が犯人である明確な伏線であり証拠でもあるのです。
劇中で回収された見事な伏線
劇中には、結末を知ると見え方が変わる伏線が沢山張られています。
映画冒頭とラストシーンの因果関係
本作は冒頭での追跡劇とラストシーンが関わりあっています。
この始まりこそが意外な結末の伏線となっているのです。
牧村がチンピラ(戸田)を温情を働かせて見逃したことで、仙堂殺害という恩恵を得たともいえます。
牧村が最初に戸田を捕まえていれば、戸田は長く警察に拘束されていたかもしれません。
そうなっていれば仙堂は殺されず、精神鑑定によって刑事罰を免れていた可能性もあります。
映画の冒頭とラストには秘められた因果関係があったのです。
曽根崎のキズだらけの体
冒頭で曽根崎は記者会見前の着替えの際に、あちこちに手術跡のあるキズだらけの上半身をさらしています。