本作で描かれたJIMINの姿はとにかくひたむきな努力家としての優しく健気な姿です。
ツアー中にメンバーが怪我で思うようなパフォーマンスが出来ない時も真っ先に寄り添っています。
また、他メンバーに比べて突出したものがない分、誰よりも一生懸命練習に励む姿が印象的です。
センスや才能といったものよりも愚直な人間性こそがJIMINの格好良さ・魅力ではないでしょうか。
ひたむきに努力し何があっても絶対に「諦める」ということを知らない向こう見ずなJIMIN。
正にBTSの「縁の下の力持ち」となって、グループ全体を温かく優しく包み込んでくれています。
繊細で感受性豊かなロマンティスト・V(ヴィ)
ソロ名義でも活動しているメインボーカルのVがクローズアップされたのは涙を流す繊細さにあります。
彼の歌声は常に優しく強く、それでいて繊細なメロディを紡ぎ上げる歌の柱です。
そんな彼がツアー中に上手く高音が出せず、涙を流し後悔するという切なさが描かれていました。
恵まれた才能を持ちながら、アクシデントでそれを発揮できない時の辛さはたまったものではないでしょう。
本作において「ドラマ」を背負っていたのは彼とJUNG KOOKであり、この2人がグループの「陰」といえます。
華々しい成功の裏に見える挫折とそこからの這い上がりは正に王道の成長物語となっているのです。
このツアーを通してまた大きく成長しスケールアップを果たしたのではないでしょうか。
受難多き男・JUNG KOOK(ジョングク)
本作においてV以上に受難に見舞われた不運の持ち主がJUNG KOOKであったといえるのではないでしょうか。
Vと並んで本作においてドラマというか、心の揺れ動きが最も強く描かれていたのが彼でした。
ソロパートを満足に歌いきれないだけでなく、ロンドンでは足を負傷して出られない回もあったのです。
ファンにもメンバーにも迷惑がかかってしまうと考える罪悪感は計り知れないものがあります。
しかし、それを乗り越えて成長し心身共に強くなっていく様は見る側の共感と涙を誘ったことでしょう。
受難が多いからこそ人の痛みや苦しみが誰よりも分かる人だということが本作で判明しました。
トップで居続けること
こうして見ていくと、改めてBTSが何故トップで居続けられるのかが分かろうというものです。
恵まれたスター性や才能以上に人間性と結束力こそが最大の魅力だと教えてくれました。
本作はBTSの魅力を深く掘り下げることに寄与しつつ、決して単なる美談や苦労話に終始していません。
世界を股にかけて進化と成長を続けていく彼らの軌跡を見事なエンターテイメントに仕上げています。
一流であり続ける人とは誰よりも常に遥か高みを目指し、苦労や挫折をものともしない人達でしょう。
BTSは7人のバランスがとても絶妙な形で成り立った最高のグループだと身を以て証明してくれました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本作はBTSがどんな魅力を持ったグループかを凄く的確にまとめあげ、世界中に発信してくれました。
世界中を駆け巡るトップスターである彼らの道は昔も今も決して簡単な道ではありません。
壮絶な理不尽・不条理を味わって尚前に進み続ける意志力と努力があればこそ乗り越えられたのです。
とても2時間では収まりきらない程のスケール感とドラマ性・エンタメ性で最後まで飽きさせません。
一流とはこうあるべきという現代のスターの姿を示したと同時にここですらまだ道の途中なのです。
ヨーロッパツアーを経て高みへと成長したBTSは今後もトップスターとして最高の音楽を魅せてくれるでしょう。
ミュージックビデオとしても1本の映画としても非常によくまとまった傑作です。