日浅は契約が取れない日は「手ぶらでは帰れない」と釣りで釣った魚を手土産に持って行く時があるようです。
沿岸部に行った際も契約を取れず釣りをしていたのかもしれません。
日浅の兄が言ったように車がないというのは、釣り場近くに止めていた車も流されてしまったと考えるのが自然です。
また、3年経っても今野の前に戻らないところを察するに、帰りたくても帰れなくなった。
つまりは死に至ってしまったと考えることもできます。
作品が訴えたいこと
人間の表裏の違いが垣間見える『影裏』では、視聴者に何を訴えようとしているのでしょうか。考えられる要素は2点です。
人の表裏
この物語は日浅の人間性を中心に動いているように見えます。
出向したてで周りに馴染めないでいる今野に、親身に接する優しい日浅。
ですが、家族には大学に通っていると嘘をつき、大学4年間の仕送りと学費を貰い続けた過去が日浅にはありました。
さらに彼は前職の部下に契約を取り付け、挙げ句にはお金を借りて失踪した日浅からは人の醜悪な部分が見えます。
家族を裏切った結果、日浅の生死が分からない状態でも捜索願いを出さない家族ですが、言葉では生きていると断言していました。
家族に裏切られて腹立たしいけども、生きていて欲しいと願われたのではないかと考えれます。
金のためならどんな行動でもやる人がいる
本作は人間の裏が垣間見える作品で、お金のためならどんな行動でもやる人がいるように見受けられます。
最初に出てきたのは震災地の火事場泥棒、次に出てくるのは日浅です。
日浅に至れば大学に在学していたはずの4年間は一切分からず、ただ親からお金を貰っている状態でした。
また、転職した後の営業職でも前職の部下や今野に契約をさせてノルマを達成させていました。
彼のようにお金を稼ぐためなら何でも行動するタイプの人間はいると訴えているように考えられます。
まとめ
人の裏側について強く印象づけた『影裏』。
自分に優しくしてくれる友人が、実はとんでもないことをやっていたということは珍しくないのではと考えさせられる作品です。
主演の綾野剛と松田龍平による友情・恋愛物語でもあるので、いずれかの俳優が好きな方でも楽しめるのではないでしょうか。