個性や現状を美しいと感じることが出来ない女性たちです。
彼は万力で彼女達へ忠告を与えていた、とも考察出来ます。
あなたはもうすでに美しい
その美しさを生かすきっかけが作りたい
引用:MANRIKI/配給会社:HIGH BROW CINEM・東映ビデオ
コンプレックスというものは、他人からすれば他者とほとんど変わらないものです。
彼のいうきっかけとは、他者とは違う顔(個性)を作り出すことでしょうか…。
そんなに美しくなりたいのなら、これでどうだ!といっているようにも聞こえます。
別世界を生きる男
チーム万力の永野は、インタビューで整顔師を「バケモノ」と呼んでいました。
その言葉には、恐れと尊敬の意味も含まれていたように感じます。
この世界は妄想でできている
引用:MANRIKI/配給会社:HIGH BROW CINEM・東映ビデオ
上記は劇中に登場するセリフですが、整顔師だけはこの妄想の世界から逸脱した存在だったのかもしれません。
また本作品は、被害者である女性たちが他者から非難される人格で描かれていました。
彼女達を可哀そうと感じるのか否か、偽善の心が試されるような内容です。
整顔師が施術した人の共通点
小池樹里杏演じるモデルや神谷三鈴演じる若作りの女性には、どんな共通点があったのでしょう。
妄想に捕らわれた女性
整顔師が施術した女性は、妄想に捕らわれていた人物といえます。
顔デカ
引用:MANRIKI/配給会社:HIGH BROW CINEM・東映ビデオ
皆から追い立てられるようなコンプレックス、若作りをして偽りの美を生み出そうとする女性…。
自分が作り出した空虚の世界で、美を求めている人物です。
そして、自分は特別になれると虚栄心を持っている女性でもあります。
見た目に固執した人物
小顔や若作りと、施術を受けた人物像はいずれも外見に固執していることがわかります。
だからこそ、外見を万力によって壊されてしまったのではないでしょうか。
本来持っている美を引き出すには、彼女たちが固執している外見を壊す必要があったのでしょう。
彼女達は周囲に自分の価値を求める女性なのです。
周囲から疎まれる人物
この映画の魅力でもあるのですが、被害者はいずれも疎まれる人物といえます。
観ている者に嫌悪感を与える存在であり、同時に加害者の整顔師に共感を持たせる存在でもあるのです。
まさに、観る者の心に宿るダークな部分を引き出すような映画といえるのではないでしょうか。
彼女達を通して、人間のマイナスの感情を解き放つことが出来る映画です。
最後に残したセリフの真意
本作のラストシーンでは意味深長なセリフが残されています。
このセリフは何を示していたのでしょうか。
自分の持つ真の価値を見るべき
生まれ持った個性という真の美しさが、人にはあるように思います。