出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01LROABYW/cinema-notes-22
映画「MARS~ただ、君を愛してる~」は2016年に公開されました。
1996年から2000年にかけて漫画雑誌「別冊フレンド」で連載されたラブストーリー。原作者は惣領冬実。
主演は人気アイドルKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔と若手実力派俳優の窪田正孝。ヒロインをモデルとしても活動する飯豊まりえが努めました。
若い出演者が多く、作品全体からフレッシュな魅力が感じられる一作です。
監督は全国の映画館で上映される「NO MORE 映画泥棒」を監督した耶雲哉治。
本作は元々ドラマ版が放送され、その中で描き切れなかった内容が展開されました。
重い過去を背負うヒロイン・キラ。その過去に主人公・零が戸惑った理由は何か。
窪田正孝演じる桐島牧生が零に執着する理由と、零の弟である聖の死因も合わせて考察します。
二人が背負う過去
零とキラはそれぞれ重い過去を背負っていて、それが二人の関係に影響しています。
零の過去
零の過去にあった悲劇。それは双子の弟の聖が目の前で自殺したことです。
中の良い兄弟で、零と正反対の穏やかな性格をしていた聖。彼の死は零の心に深い傷を残しました。
それには、零自身の行動も深く関わっています。
思い出さないようにしようとしていた零でしたが、ある時それが甦り苦痛にあえぐ姿が劇中にあります。
拭い去れない過去の傷とトラウマ。これは、ヒロインのキラにも共通しています。
キラの過去
キラの過去、それは母の再婚相手にレイプを受けたことです。それが原因で、キラは男性恐怖症になりました。
その苦しみは、信頼して愛している零との関係すらなかなか進展させられない程です。
零が悪いわけではなく、悪いのは自分自身と責めるキラ。しかし、これはキラが悪いという問題でもありません。
頭の中で何度も憎い相手を殺すというキラ。彼女にそのような心の闇を植え付けるほど、過去に受けた傷は深いものでした。
零と同様、キラも拭い去れない心の傷があります。
キラの過去に零が戸惑う理由
キラの過去に零が戸惑う理由。それは、キラも自分と同じく心の闇を抱えていたことを知ったからです。
作中に登場した過去に付き合った女性が語るように、キラは自由奔放に女性と付き合ってきました。
普段は温厚ながら、凶暴性を内に秘めた零。普段はそれを隠して生きています。
以前からの行いでしたが、零が奔放に女性を求めるのは聖が死んだことによる心の傷を無意識に隠すため。