もしくは、心の傷を埋めるために女性を求めいると推測できます。
しかしこれまで付き合った女性と違い、キラは自分と同じく心の傷を抱えていました。
キラと向き合うということは、否応なしに自分の心の傷と向き合うことになります。零にとって初めてのことです。
それ故に、零はキラの過去に戸惑う態度を見せたのです。
牧生の異常な愛情
窪田正孝の怪演が印象的な牧生。彼はどういった人物でしょうか。
内に秘めた凶暴性
牧生は幼いころから残虐性を秘めていました。小学生の頃に自分を虐めていた子を石で殴り殺しかけたことが、劇中で語られています。
また、まるでキラと零の心の傷をえぐることを楽しみに行動している姿も印象的。
そうした姿から想像できるのは、牧生は生まれついてのサイコパスであるということです。
老婆に優しさを見せる反面、人を傷つけることに一切の躊躇いがない牧生の姿。
牧生には、人が傷つく痛みがわかりません。
牧生とキラの共通点
劇中ではキラに見せる愛情と明るい人柄が印象的な零。凶悪且つ異常な姿が印象的な牧生。
一見すると対照的な二人ですが、この二人には共通点があります。
二人とも、内面に異常な凶暴性を秘めているという点です。その意味では、この二人は似た者同士なのです。
キラに出会ってからは、零は一途にキラを愛します。一途に相手を思うという意味では、牧生もまた零のことを思っている。
零の方ではそのように意識してはいませんが、その共通する部分が牧生の異常な行動の理由になっています。
牧生が零に執着する理由
牧生が零に異常なまでに執着する理由は一体何でしょうか。
強さへの執着
牧生は世の中には三種類の人間しかいないと劇中で語っています。その考えから、彼自身が「強さ」に対して執着を持っていることが伺えます。
普通の人間がとてもできないことを、平気でやり遂げる牧生は見方によれば強い人間にも見える。
しかし、牧生自身は自分をそのようには考えていません。彼にとって、強い人間とは零のことです。
零は自分と同じく凶暴な一面を持ちながら、虐げられるという経験がない。牧生は逆に虐められるなど虐げられる側の人間でした。
共通する部分を持ちながら、自分にない強さがある。それが牧生が零に執着する理由の一つです。
牧生が零に恋愛感情を抱いていた可能性
もう一つ牧生が零に執着する理由は、牧生が同性愛者であるという可能性です。
相手を自分だけのものにしたいという感覚。自分の思うような存在になって欲しいと考える気持ち。
こうしたものは、一般的に恋愛面において抱く感情です。