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桐野夏生の小説「東京島」を原作とした同名映画は、2010年公開の話題作です。
元を辿ればアナハタン島事件が背景に描かれており、無人島という閉鎖的な空間での人間模様がリアルに表現されていました。
女性であることを武器に生き抜いた清子ですが、彼女はなぜ救援依頼を出さなかったのでしょう。
またチキとチータの真の父親は誰だったのか…。
劇中で語られなかった裏側を細かく考察していきましょう。
清子が救援依頼をしなかった理由
清子やワタナベは無事に島を脱出したにも関わらず、なぜ救援要請を出さなかったのでしょう。
好奇の目にさらされるから
もしも無人島でのことが明るみになったら、平穏な日々を過ごすことは出来なくなるでしょう。
連日マスコミが押しかけ、チキがいじめにあうかもしれません。
日本で平穏な暮らしをしたかったから、無人島でのことは口外しなかったのではないでしょうか。
自分の子供であるチキを、普通の子として育てたいと願う親心なのかもしれません。
自分の生き方を知られたくない
清子は、島での自分の生き方を暴露されたくなかったとも考察出来ます。
無人島での生き方は常識では考えられないことであり、女性として多くの人に非難されるでしょう。
島に残った人たちを戻すということは、自分が非難されることに繋がるのです。
清子は自分が生き残るために取った行動に対し、後ろめたい気持ちもあったのではないでしょうか。
罪を隠す為
清子の夫である隆が死んだ理由ははっきりとわかっていません。
可能性のひとつとして清子が突き落としたのではないか、と考えられます。
一番いらなかったのはこの人だった
引用:東京島/配信会社:ギャガ
上記は予告編でも流れ、印象的だった清子のセリフです。
隆を崖から突き落としたのが清子ならば、無人島に救援隊が向かったら隆の死について追及されるかもしれません。
捜査が入ることを避けたい、という思いもあったのではないでしょうか。
チータへの想い
東京島には自分の子供であるチータが置き去りになっており、母親ならば我が子を救いたいと願うものです。
おそらく、清子はチータは大丈夫という確信があったのでしょう。
島に残ると決断した人たちは、生きるすべを習得しておりGMは我が子として育ててくれる…。
願うような気持ちも入り混じっていたことでしょう。
しかし原作では妊娠中に子供への愛情がないことを告白しており、文明がない地では母性も育たないと語っています。