それを示すのが、彼女が金融関係のお仕事とグラビアアイドルの2つの仕事をしているということでしょう。

どう考えても関連する要素がない一般の職業と芸能関係のお仕事を掛け持ちしています。

二重人格ではないにしても、ゆいちゃんはそのどちらも卆なくこなせる器用さがあるのです。

恋愛関係に関してもその器用さを生かして常に2人の上を行く強かさ・冷静さがあります。

クリスマスの夜の結末

ラスト・クリスマス (字幕版)

そんな3人の関係は最後のクリスマスの夜で1つの結末を迎えます。

この三角関係は果たしてどのような形で決着がつくのでしょうか?

誰も結ばれない

結論からいえば、3人の関係性は誰も結ばれないままで終わりました。

ゆいちゃんの中では結局てっちゃんもオタベも異性の対象にはなり得なかったのです。

決して好意がないわけではなく、同じ部屋に住む仲間・友達としての好意はありました。

しかし、そのことと異性としてのときめきはまた別物だということでしょう。

だから3人の関係性はもう一緒に住む時点で結ばれないことが見えていたといえます。

「いい人」の先がないオタべ

「いい人」をやめれば人生はうまくいく

まずオタベから見ていくと、彼はいわゆる「いい人」でおわったのではないでしょうか。

ゆいちゃんの中では、きっと友達以上恋人未満という心地良い関係性だったのです。

しかし、オタベは上記したように「いい人」の先が何もなく奥深さに欠けます。

仕事も出来るし悩みも聞いてくれるし困ったときには助けてくれるのでしょう。

そういう人は女性にとって尽くしてくれる「都合のいい人」で終わってしまいがちです。

その点で見た時オタベは万人受けこそいいけど恋愛対象に今1歩届かない人だと推測されます。

格好つけすぎたてっちゃん

そしててっちゃんの場合は逆に似合わない格好つけ過ぎて空回りしてしまったのです。

キャバクラに行くことやデートにやたら過剰な演出をやる所など全てにおいて背伸びしていました。

確かにてっちゃんはオタベとは違い恋愛関係のノウハウや演出のツボは押さえているのでしょう。

しかし、それをゆいちゃんが望んでいるのかといえば、それはまた別問題となります。

ゆいちゃんが望むのはもっと慎ましく自然体で構えずにいられる関係性だったのではないでしょうか。

金融関係にグラビアと普段の仕事がただでさえ責任が重く、また人に見られるお仕事ばかりです。

その辺りの気持ちをきちんと汲み取ることが出来なかったのがてっちゃんの敗因でしょう。

ルームシェアと男女の関係

本作では三角関係が中心ですが、もう1つ忘れられないのが真弥と洋介など他の人たちの恋愛模様です。

他の人たちも結局は結ばれないまま終わってしまいますが、ここから1つの新しいテーゼが見えます。

本作において示された新しい男女の関係とは何なのでしょうか?

体の距離=心の距離ではない

大人になってからの人間関係 信頼を深めるための3ステップ

全体に共通していえるのは体の距離と心の距離は必ずしも比例しないということです。

確かに聖南と大輝のように長い間疎遠だったが故に心の距離が出来てしまった例もあります。

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