1つ目に上記していますが鬼邪と鳳仙が個性と規律という真逆の組織構造になっていることです。
メンバーの個性を重視してチームが出来ている鬼邪に対して鳳仙はいってみれば軍隊でしょう。
1人のカリスマが先頭を切ってグループを牽引しスマートに戦うという方式です。
そしてそのどちらが優れているかではなく、最終的に和解し団結する方向性を選びました。
形は違えど仲間を思う気持ち・友情という点に関して嘘偽りは全くありません。
それが彼らの強さの源になっているのではないでしょうか。
周りの目ではなく自分の信念
この作品の面白いところはあくまでも個人の自由意志に基づいて戦っているところです。
それが顕著に出ていたのが桐原であり、彼は最後まで自分を曲げませんでした。
優等生な彼でしたが、教師達に仲間である花岡のことを愚弄されても全く怯みません。
また、村山達も最終的に違う道を行くために最終的に高校退学という道を選ぶのです。
かつての不良達もまた単なる悪い奴ではなく自分の人生を本気で生きる覚悟を持っています。
その魂は現代になっても失われることのない崇高なものであることを示しているのでしょう。
寂しさよりも前向きさ
そして何よりも世界観やドラマ・アクションが重厚で暗めながらもラストが前向きです。
不良漫画というとその締め方はどこかやや荒涼とした孤独な終わり方になるでしょう。
しかし、本作は非常に結末が明るく爽やかでどこか「ごくせん」のテイストに近いのです。
こうした前向きなハッピーエンドで締めくくられるのもなかなか珍しい方でしょうか。
鈴蘭高校と戦う決意には不安よりも寧ろ期待や希望の方が強く感じられます。
組織と権威の時代の終焉
本作はクロスオーバーものの構造を取りながら単なる夢の共演に終始していません。
実は作品を通して組織と権威の時代の終焉を告げていることが窺えます。
ラストで村山達はせっかく仲良くなった鬼邪や鳳仙から抜けて自分の道を行くのです。
そして鈴蘭高校に単独で乗り込むのも三つ巴の戦いというより夢を追っているように見えます。
きっと組織と権威の時代が終焉を告げ本格的な個人の時代が来るのでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
本作は企画からいって相当危ない橋を渡った作品だといえます。
不良漫画の融合だけならまだしもそれを実写の世界でやるというハードルの高さです。
しかし、その高いハードルを見事にクリアして最高にスタイリッシュな作品となりました。
何よりも役者達の熱演とアクションの見応えが本作を伝説の作品に押し上げたといえるでしょう。
文芸面でも共演ものという括りに収まらない程の高い文芸性を誇っています。
本作の結末の爽やかさと新しさはこれからを生きる人たちの糧になるはずです。