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【ミスター・ガラス】は【シックスセンス】で有名なM・ナイト・シャマラン監督による作品です。
【アンブレイカブル】【スプリット】に続く三部作の完結編という位置づけになっています。
扱っているテーマは「ヒーローは実在するのか」というやや荒唐無稽にも思われるものですが、結構奥深い隠れたテーマもあるようです。
実は我々の知らないところで暗躍する謎の組織が実在するのではないかといった疑問が湧いてきたりします。
またこの物語では「三」が一つのポイントになっており、主な登場人物は三人ですし、三つ葉のクローバーも重要な意味を持つのです。
イライジャの狙い
ものすごいIQを持つ「ミスター・ガラス」ことイライジャの筋書き通り物語は進んでいくといっても過言ではありません。
彼の最終目的な何で、結局その目的は達せられたのでしょうか。
彼がどのような理由でこのような筋書きを考えたのかも興味が尽きないところです。
自己の存在意義確認
彼の行動の起点となったのは、やはり彼の生まれつき脆弱な体にあったのではないでしょうか。
骨折した状態で生まれ落ち、生涯数十回の骨折を繰り返す体の彼は「自分は何のために生まれたのか」と自問します。
このような自分が存在するのならば、脆弱な自分とは正反対のヒーロー的な人間も存在するのではないか。
そしてそのような人間を見つけて、世に知らしめることが自分のミッションではないかと彼は考えたのです。
チョット常人には考えられない発想といえます。
でもイライジャのような立場に置かれれば、何らかの形で自己の存在意義を確認したくなる気持ちは理解できなくはありません。
ヒーローの実在を知らしめる
彼は心からヒーローの実在を信じていたのでしょう。
同時にヒーローを見つけ出し、それを世間の人に信じさせることの困難さも理解していたのです。
一人のヒーローを発見するために大量殺人さえ計画し実行したではありませんか。
イライジャは超人的な能力を持つデヴィッドとケヴィンを実際に闘わせ、そのリアルな映像をSNSで拡散させるという計画を実行に移しました。
如何にも知的能力が高そうなステイプルをも見事に手玉に取ったのです。
屈服していると見せかけて周到に布石を打っていく手際はお見事というしかありません。
彼はステイプルがカメラの映像を消去することを見越して、あらかじめ映像を転送するプログラムを仕込んでいました。
彼はそれほどまでして世の中に「ヒーローは実在するのだ」と知らしめたかったのです。
そこには自分の生が無駄ではないことを証明したいという強い強迫観念がありました。
バトンを渡す
イライジャにはさらに大きな意図があった可能性があります。
それは現実に闘う超人の映像を広く流すことによって世界中に埋もれているヒーローに自覚を促すことでした。
そうすれば世の中はヒーローだらけになり、まさにマイノリティがマジョリティ化するのです。