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2016年に公開された映画「少女椿」。
原作はイラストレーターとしても活躍する丸尾末広による漫画作品。1984年に単行本化されました。
本作は、強烈な世界観から実写化不可能ともいわれた原作を映画化したことで話題を呼びました。
主人公・みどりを演じるのはモデルとして活動する中村里砂で本作が女優デビューとなります。
みどりが所属する赤猫座というサーカス団。
そこにやってきた魔術師・ワンダー正光を演じるのは数々のドラマで活躍する風間俊介が演じました。
赤猫座の奇怪な面々に扮するのはグラビアアイドルの森野美咲、俳優の佐伯大地、中谷章宏など。
ヴィジュアル系バンド「SuG」のメンバーだった武瑠も人気キャラのカナブンに扮しました。
個性的な世界観が印象的な本作の監督を務めたのは、ファッションデザイナーとしても活動するTORICOです。
映画のラストでワンダー正光からもらった魔法を自分にかけるみどり。彼女のこの行動は何を意味するのでしょうか?
ワンダー正光はなぜ執拗にみどりに執着したのでしょうか?
みどりが女優であることに飽きた理由と合わせて考察します。
ラストに自分に魔法をかけた意味
映画のラストで自分に魔法をかけたみどり。その行動が意味するものは何だったのでしょうか。
過去との決別
ワンダー正光と出会い、みどりは女優になるという夢を叶えます。
しかし赤猫座の面々と別れてまで選んだ道であるにも関わらず、やがてそれにも飽きてしまいました。
そして魔法をくれるようにとわがままを言い出しワンダー正光は命を落としてしまいます。
みどりはこれまで彼女の周りにあったものを全て失ってしまったのです。
しかしそれでも生きていくしかなく、過去は絶対に戻りません。
みどりはそのことを受け入れ、過去を思い出さないようにするために自分に魔法をかけたのだと想像できます。
現実からの逃避
一方でこれは現実からの逃避ともいえるでしょう。
みどりに乱暴を働こうとしながらも、鞭棄は本当は彼女のことを思っていました。
同じように独善的ながらみどりを思っていたワンダー正光や赤猫座の仲間たち。
そんな世界から抜け出したいと願っていたはずなのに、気が付けばみどりの周りには誰も居ません。
何をしてもみどりは孤独になるしかなかったのです。
そんな現実から逃避するために魔法を使ったとも考えられます。
なぜみどりは魔法をねだったのか
みどりはなぜ突然ワンダー正光の魔法が欲しいといい出したのでしょうか。
ワンダー正光の人形になりたくなかった
みどりはワンダー正光が自分を襲った鞭棄を殺害したことを知っていました。