まるで嫁が主導権を握る夫婦のようでした。
二人の立場が逆転したのは由宇が自分の気持ちを認めたからでした。
そのため迷いが晴れ積極的な行動に出ることができたのです。そのパワーは黒崎を圧倒する程でした。
由宇の成長
黒悪魔と呼ばれる黒崎との服従関係を逆転させた由宇はどんな成長をしたのでしょうか。
黒悪魔と白王子に挟まれて
由宇の学園生活は黒悪魔の黒崎と白王子の白河に挟まれていました。まるで飴と鞭、光と影のように対象的な二人です。
行動の黒崎と言葉の白河という異なる二人の男性が常に由宇の側にいました。
この二人の存在により、由宇は言葉だけでもなく行動だけでもないバランスの良い男性の個性を見ることができました。
それにより自分が本当に心惹かれるものは何なのかを認識することができました。
黒崎と白河が対象的であったことが由宇を成長させたのです。
芽衣子との関り
もう一つ由宇を成長させたのが親友の芽衣子との関りでした。
芽衣子は黒崎に恋をしていました。しかし一旦は芽衣子を応援しようと決意しながら、由宇は自分の気持ちに気付きます。
結果的に二人の友情は壊れませんでしたが、由宇にとって芽衣子との友情を失うことは恐怖でした。
この試練を乗り越えることで由宇は精神的に強くなりました。この恐怖に比べたら、服従関係など恐れるに足りないものでしょう。
周囲の人との関りで強くなった由宇は以前は地味だったと語られていましたが、元々メンタルは強かったのかもしれません。
絶対服従の期間を終了させた真意
黒崎はなぜ突然、由宇との服従関係を終了させたのでしょうか。
由宇の計らいの誤算
遊園地で由宇は黒崎と芽衣子を近づけようとします。黒崎はそれが由宇の計らいだと気付きました。
最終的に由宇を観覧車に連れ込むことに成功しますが、芽衣子のことで黒崎は由宇の気持ちが自分にはないと感じてしまったと推測できます。
だから観覧車でキスをしても、黒崎の心の中に迷いが生まれました。
いつの間にか由宇を愛していて離したくなかったからこその服従関係だったのです。
ですが由宇に気持ちがないなら何をしても無駄なことです。そう感じたからこそ、黒崎は服従関係を終了させました。
白河への思い
黒崎が絶対服従を終了させたもう一つの理由は白河への思いです。
幼い頃からの友達だった二人でしたが白河は、由宇が黒崎と付き合うならもう友人でいられない気持ちを黒崎に伝えています。
黒崎にとって白河は、たとえ由宇と付き合えなかったとしても失いたくないと思うほどの大切な存在です。
黒崎を慕う寮生の梶は登場しますが、黒崎と対等な立場と言える人間は白河だけでした。