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和月伸宏原作の漫画「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」は集英社の週刊少年ジャンプに連載されていた人気作でした。
その人気から続編を望む声も多く、現在も雑誌ジャンプスクエアで新作となる「北海道編」が連載されています。
実写映画「るろうに剣心」は2012年に公開され、原作の世界観を高いクオリティで再現したことが評価され大ヒットを記録しました。
幕末の時代に「人斬り抜刀斎」と呼ばれた主人公・緋村剣心が明治を舞台に活躍する時代劇作品です。
映画は原作初期の物語を鵜堂刃衛をラスボスとして再構成し、明治の東京を舞台にしたアクション巨編となっています。
作中で強力な暗示をかけられたヒロインの神谷薫は自力でそれを解きました。
薫にそれができた理由と、剣心のかってのライバルであった斎藤一がなぜ警官になったのか。
この記事では刃衛が使う暗示の正体と、彼が最後に自決した意味も合わせてこれらを考察します。
暗示を解く方法
最初に作中で明言された暗示を解く方法についておさらいしてみましょう。
自力で解く
薫が行った方法です。強い気合で刃衛の暗示を無効化することができ、剣心はこれにより暗示にかからず戦えていました。
一見単純な方法に感じますが、実は至難の技でもあります。
「相手を切り倒すことそのもの」に喜びを感じる刃衛の精神は狂気の域に達していました。
そんな人間の前で一般人が気合を入れるのは至難の技です。
本来は幕末の戦場で生き抜いた剣心クラスの人間にしか、自力解除は不可能でした。
術者が解く
もう一つの方法は術者である刃衛が解くことです。これは暗示をかけたものがそれを解くというシンプルなものですね。
刃衛がいつごろ暗示を習得したのかは不明ですが、以前はこれを有効に使って何らかの任務に着いていた可能性もあります。
相手から情報を引き出すため使用していたのでしょう。
この刃衛が解くことの延長で、刃衛の死によっても暗示は解除されます。
自力で暗示を解いたとはいえ刃衛が生きている間の薫は、体が思うように動いていない様子でした。
その様子から改めて、暗示の威力の大きさが伝わってきます。
薫はなぜ自力で暗示を解けたのか
薫が自力で暗示を解けた理由は「剣心への思い」です。不殺の誓いをしている剣心は二度と人を切らない覚悟でした。
流浪人となって逆刃刀を武器に力なき人々に力を貸してきた剣心ですが、人斬りをしていた過去への苦悩と後悔を薫は知ります。