人と初めて心を通わせたであろう彼女との約束は、復讐よりもずっと優先的に考えるものだったのでしょう。
使える時間をできるだけ生徒のために費やし、闇から救っていくよう動き続けたのかもしれません。
卒業までに立派な人間として卒業できるよう努めていたのではないでしょうか。
あぐりとの関わりで殺人をしたくないと考えるようになった
殺せんせーは『死神』と呼ばれるほどに様々な人を殺してきました。
殺人に躊躇もなかった彼が、なぜ世界に復讐を考えなかったのでしょうか。
『死神』から『殺せんせー』になるまでに影響を与えた人物は、カエデの姉・雪村あぐりでしょう。
ガラスが隔たれているとはいえ、彼女は少しずつ異形化していく彼と何事もなく接していました。
あぐりとの関わりで人との接し方を知った殺せんせーは、殺人をしたくないと考えるようになったのではないでしょうか。
渚の「さよなら」の意味
殺せんせーが力を使い果たして最後を迎える時、クラスを代表して渚がとどめの一撃を加える流れになりました。
彼は殺せんせーにとどめを刺す際に「さよなら」と言いながらナイフを刺します。
渚はなぜ「さよなら」と言ったのでしょうか。考えられる理由は2点です。
殺せんせーとの別れ
渚がナイフでとどめを刺す状況としては、数時間もしない内に殺せんせーは世界政府の手によって暗殺される予定にありました。
暗殺されるなら生徒に殺されたいと望んでいた殺せんせーは、生徒の誰かに最後を任せたかったのでしょう。
どう足掻いても殺せんせーが死ぬ運命にあったことに気が付いた渚は、これまで彼と過ごしてきた日々を思い出したのではないでしょうか。
自らの命を張って先生の振る舞いをしてくれた彼に対して、敬意を込めて別れの挨拶を口にしたと考えられます。
また、学校生活の中で積み重ねた殺せんせーへの依存を断ち切る思いで「さよなら」と言ったのかもしれません。
卒業と捉えている
殺せんせーの暗殺計画は、生徒の卒業前に行われました。
時間が経っても殺せんせーを殺しても卒業。どの選択肢を取っても卒業するのは間違いありません。
落ちこぼれだった自分を正面から向き合ってくれた殺せんせーから卒業する意味合いで「さよなら」と言い放ったと考えられます。
殺せんせーは本当に死んだのか
物語終盤、生徒たちに見守られる中、殺せんせーは渚の手でとどめを刺されました。
体は消失して光の球体となった彼は空高く舞っていきます。
マッハレベルの移動速度を持つ殺せんせーは、本当に死んでしまったのでしょうか。
驚異的な移動速度であっても、彼は確実に殺されたと考えられます。理由としては、それまでに使用した力の量です。