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『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』は1997年に公開された劇場版クレヨンしんちゃん5作目です。
監督の変更や高度なギャグセンスなどで大きな話題となりました。
そして本作はひまわりの劇場版デビューとなり、しんのすけが「兄」へと成長する姿も描かれています。
劇中では、ひろしとみさえの歌が大活躍していましたが、その強さはどこからくるものなのでしょうか。
キャッチコピー「オラたちに明日はない」の『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』を徹底考察していきます。
しんのすけが「兄」に成長した
『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』は、しんのすけが兄として成長する姿が楽しめます。
ひまわりへの嫉妬
オラは撮ってくれないんだな
ひまわりだけちやほやされるのは今のうちだぞ
引用:クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡/配給会社:東宝
本作では所々にしんのすけの嫉妬心が描かれています。
しんのすけは、駄々をこねることで寂しい気持ちを表現しているのでしょう。
これまで自分だけを可愛がってくれた両親が、妹だけを気にしていることが子供には辛い状況なのです。
かあちゃん、オラは?
引用:クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡/配給会社:東宝
しんのすけのセリフが徐々に子供の孤独を感じるものになっていきますが、ご兄弟のいる方は心当たりがあるかもしれません。
下の子に嫉妬心を燃やすのは、上の子が通過する成長の壁といえるでしょう。
父ひろしの言葉がしんのすけに届いた
父ちゃんに何かあったら、ひまわりのこと守ってやるんだぞ、頼んだよお兄ちゃん
引用:クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡/配給会社:東宝
父と息子のやり取りが、それまでいじけていたしんのすけを「兄」へと後押ししたのではないでしょうか。
5歳の男の子は、頼られることで自分がカッコよくなれたと思うものです。
また「できる」ことが増えていく時期なので、大人と同じことができるのは嬉しいことなのでしょう。
しんのすけは自分が小さいひまわりを守ることができるといわれたので、嬉しかったのかもしれません。
「兄」として自覚が芽生えた
それまで甘えることで存在をアピールしていたしんのすけは、ひまわりを守るという使命の元に兄としての自分に気がついたのでしょう。
劇中でひまわりを必死に守ろうとする姿は、立派な兄としての姿でした。
夫婦の歌がヘクソンに効いたわけ
ラストシーンで大逆転したのは、みさえとひろしの「歌」があったからです。
暴力ではなく、歌で敵を倒したというのも深い意味があるのではないでしょうか。
使用曲は「愛は傷つきやすく」
二人が歌ったのは1970年発売の「愛は傷つきやすく」です。
なぜこの歌が使用されたのかは明かされていませんが、同時の制作者の中でこの曲が好きだった人がいたのではないかといわれています。
歌で思考を止めた
頭の中を読むヘクソンに対抗するための「歌」でしたが、独身時代の歌を歌ったことでみさえとひろしの絆が蘇ったのでしょう。