それ故に冷線ミサイルを命中させられたファイヤードラゴンは一気に無力化され倒されてしまったのです。
地球人の精神力の勝利
もう一つの要因が地球人の精神力です。
ファイヤードラゴンの妨害電波により、ムーンライトSY-3の照準装置は働きませんでした。
そのため乗組員達は手動でミサイルを撃ちますが、高速で移動するファイヤードラゴンを狙うのは至難の技です。
しかし乗組員達はそれをやりとげファイヤードラゴンを倒しました。
ムーンライトSY-3とファイヤードラゴンでは、単純な性能ではファイヤードラゴンが上だったと考えられます。
そのキラアク星人の優れた科学力を人間の精神が上回った瞬間です。ファイヤードラゴンは人間の精神力に敗北したのです。
キラアク星人と地球人の対比
キラアク星人は地球人と対になり描かれており、行き過ぎた科学の負の面を描いています。
火によってもたらされた文明
キラアク星人の特性から考えて、彼女達にとって「火」というものは特別なものと考えられます。
同じく地球人も火を得たことで文明を進歩させてきました。
しかしキラアク星人はその文明で他の星を侵略に乗り出します。科学の誤った使い方です。
一方地球人も、原水爆実験でゴジラをはじめとした怪獣達を生み出しました。
これもまた科学の誤った使い方です。行き過ぎた科学の負の面に関して両者は共通しています。
両者の違い
キラアク星人と地球人の違いは、科学を平和のために使っているか否かです。
地球人は科学を正しく使い、怪獣ランドを建設し怪獣達と共存していました。
自分達の過った科学で生み出してしまった怪獣と、その科学を使って人類は歩み寄ることができたのです。
一方キラアク星人はどうでしょうか。彼女達が行ったのは、話し合いの余地もない一方的な侵略行為でした。
彼女達の科学力を地球人に提供するなど、共存への方法は色々あったはずです。
しかしキラアク星人には、平和のために科学を使うという発想がなかった。
一方では宇宙に活動の場を広げた地球人も、平和の精神を忘れればキラアク星人のようになる可能性もゼロではないのです。
宇宙港が硫黄島にあった理由
本作の時代に、宇宙港が硫黄島に建設されたのはなぜでしょうか。
怪獣ランドに必要な物資の提供場所
硫黄島は怪獣ランドと同じく小笠原諸島に位置しています。
怪獣ランドでは怪獣の研究が進められていますが、常識を超えた生物なので未だ解明されていないことも多いのでしょう。
また今現在発見されている怪獣だけでなく、未知の怪獣が発見される可能性も十分あります。