もう一つの理由は彼らの立場にあります。死刑囚や無期懲役囚はもう社会に戻れない人間ですね。
ビルはそんな彼らに、人並みの自由を与える価値はないと考えたのでしょう。
さらにムカデ人間より酷いイモムシ人間を見れば、囚人たちの再犯の可能性は抑えられます。
もし犯罪に手を染め死刑囚にでもなればイモムシ人間になることを囚人たちは知りました。
囚人たちへの戒めの意味でも、イモムシ人間はもってこいの存在だったのです。
刑務所の三角関係
ビルの部下のドワイトはデイジーに好意を持っていました。
しかしデイジーはビルに父を釈放してもらった恩義があるため逆らうことができません。
ビルはドワイトのデイジーへの気持ちを知っています。
ビルは傲慢な男なので、自分の意に沿わないことが大嫌いなのでしょう。
万が一にもデイジーがドワイトに奪われることがあってはたまりません。
このビルの気持ちが、後にデイジーがムカデ人間に巻き込まれたことと関係してくると考えられます。
デイジーが巻き込まれる理由
囚人でもないデイジーがムカデ人間に巻き込まれてしまった理由は何だったのでしょうか。
事故の可能性
一つ目の可能性として、デイジーが巻き込まれたのは不幸な事故である可能性が考えられます。
囚人たちの反乱に巻き込まれて、デイジーは重症を負ってしまいました。
そして囚人たちと同じ病棟で治療を受けていましたが、この時に誤って囚人と誤解されムカデ人間にされたと考えられます。
このときの刑務所は、反乱の影響で混乱していました。
全ての囚人をムカデ人間にしなければならない作業には大変な労力がかかります。
そのため作業に携わった医師も疲労しており、デイジーのことを確認できる状態ではなかったのでしょう。
一方でこの可能性には辻褄が合わない部分があります。
ムカデ人間は取り外しができるので、間違って巻き込まれていたならデイジーは開放されてもいいはずでしょう。
しかしビルは気づいていながらそのままにしていました。
ビルの企み
もう一つの可能性は、デイジーの一件はビルからドワイトへ嫌がらせだという可能性です。
ドワイトがデイジーに好意を持っていることを知っているビルは、それが面白くありません。